まだ相変わらず暑い日が続いているが、はや9月も中盤、今年も年末に向けて物凄いスピードで駆け抜けていくように思える。そんな中いつもこの時期になると、柄にもなく季節感のある写真を撮りたくなる。春は、桜や菜の花を、秋には、たわわに実った黄金稲や、すすき、それにコスモスか・・
コスモスといえば、碓氷峠が廃止になる前、旧丸山信号所付近にコスモス畑があり、EF63を絡めて色々撮影させて頂いた思い出がある。聞けば、このコスモス畑は、なんと鉄チャンがコスモスの種を蒔き、綺麗に咲きそろうまで育てられたのだそうだ。とうとう最期まで、その鉄チャンにはお会いすることができなかったが、一ファンが、ここまで真剣に管理していることにいたく感動し、有難く撮影させて頂いたことを思い出す。毎週天に合わせるかのように、出張スケジュールを調整し、就業時間の前が今でいうとことの朝連タイムということになる。一番光の良い日の出から2時間くらいが勝負で、あとは何事もなかったかのごとく撤収となる。
この日もそうだった。ようやく朝日が立ち上がり、寒いくらいに「キン」とした空気の中で、コスモス畑に光が差し始めた頃、はるか彼方からロクサン重連のブロア音が峠に響き始める。それまで、小川のせせらぎや、小鳥のさえずりしか耳にできなかったこのコスモス畑に、ロクサンがゆっくりゆっくりと近づき、ついには、特有のブロア音に辺りは充満する。そしてロクサンにご挨拶のごとくシャッターを切ったのだ。
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1994(H6)-10-15 3004M あさま4号 EF634 Nikon F4E Nikkor 85mm F1.4S RVP+1/3