最近久しぶりにまとめてCDを手に入れたので、その中から気に留まったことを記載しておこうと思う。
いつも偏った買い物をしてしまうが、今回は、スヴェトラーノフのライブ音源のCDに触れずには要られない。どちらもスウェーデン放送交響楽団を振った80~90年代の演奏で、録音も非常にクリアなので嬉しい。特に、度肝を抜かれたのは、サン・サーンスの交響曲の第3!「オルガン付」のタイトルで有名なこの曲を、いわゆるスヴェトラーノフ節で全曲貫いている。通常聴かれるこの曲のテンポより、はるかに遅く、であるから、オーケストレーションの細部が浮き彫りになり、すべてのパートの意味というものが明らかになる。時として力づくの演奏を披露するスヴェトラーノフではあるが、この演奏では、むしろその逆で、最強奏部においても、深く大きく重厚であり、感動を伴う。特に、第2楽章の2部で、オルガンと一緒にオケが演奏する部分では、ティンパニの雄弁さや、管楽器の暖かさが心地よい。これを生演奏で聴けたなら、どんなにか感動できるだろうと、想像するだけで身震いしてしまう。フランス音楽からは対極にあるかもしれないが、今まで耳にしたこのシンフォニーの演奏の中では、間違いなくトップ3に入る。いやトップかも!