国鉄時代、ホームの先端で貨物列車を待っていると、茶色い単コロが迫ってくることがよくあった。今にして思えば、ちゃんとダイヤが組まれていたに違いないのだが、当時はそんな荷物電車にまで興味が広がらなかった。やってくれば1枚お決まりのごとくシャッターを切っていたが、こうして何十年と時間が経つと、昭和の懐かしい光景の一つとして蘇ってくるものだ。クモニ13という電車。16mの改造車である。
当時は、東海道線にも東北線にも荷物列車は当たり前に走っていたが、それは客車列車であり、機関車がけん引していた列車たち。しかし同時に、形式こそクモニ83やクモユニ74といった電車だが、荷物電車も定期であった。どのような区切りで電車と客車に分かれていたのか定かではないが、おそらく長距離と短距離とで扱いが変わっていたのか。
時代が大きく変わり、荷物列車そのものが廃止されてしまった現代。冬季、一部で走っている霜取り電車でしか、単コロ運転がないとは少々味気ない気持ちにさせられる。
掲載写真は、中央高架線を行くクモニ13荷物電車。よくよく見ると端正な顔立ちの渋い電車だ。背景の101系も懐かしい。
1978-07-15 荷物電車 クモニ13 西荻窪にて