関東から上越周りで、海沿いの信越線で撮影しようと鯨波までやってきた。有名撮影地である青梅川-鯨波は、この季節での訪問は初めてて、この時冬の厳しい気象を思い知らされ、撮影すら出来ず、この写真を見ると、やむなく計画を変更した苦い思い出が蘇ってくる。
おそらく冬型の気圧配置が強まり、日本海側は荒れ模様、強い風が吹き荒れ、雪が舞ってきたと思うと、一気に吹雪いて視界が利かなくなってしまう。とても撮影は無理と諦め、乗車する客車列車をホームで待った。今回は、その時の恨めしい写真を掲載してしまう。寒さでホームに立っていることも、ままならない時、灰色の世界から煌々と姿を現わした北のゴハチの頼もしさは格別だった。厳しい気象をも跳ね返すくらいのたくましさを感じたもので、温暖な東海道のゴハチとは全く別物の、新たな魅力を再発見できたことが懐かしい。ホームに止まった客車にそそくさと乗り込み、デッキから車内に入った時の、言葉には出来ない温もりは今や宝物になった。
1979-02-15 1322ㇾ EF58 72 信越本線:鯨波