今日は朝比奈隆没後20年に当たる日。訃報を聞き、その年の第九のチケットを握り締めながら、呆然としたことがついこの間のようだ。前年の2000年も、その前の1999年も大阪まで駆け付け、大フィルの第九を鑑賞し年越しすることが当時の慣例だったのに、流石に2001年は気力喪失し抜け殻状態だったことを思い出している。ある意味、自分の親父よりオヤジらしい朝比奈隆の言葉、生き方、そして溢れ出る音楽。いつも熱い想いを頂いていたことが、こうして20年経った今でもはっきりしているのだ。
今晩は、普段はあまり勿体なくて聴いていない、朝比奈の演奏を聴こうと思う。ブラームスやベートーヴェンも良いが、アントンKには、やはりブルックナーだ。いくつもある全集のうち、今日はブル3をチョイスして聴いている。この演奏は、90年代に録音された全集の中の第3だが、何といっても朝比奈が初めて第三稿で演奏していることでマニアには有名なもの。アントンKも、この時代新日本フィルで演奏された第3第三稿に連日足を運んだ思い出がある。今でこそ、この第3には数々の演奏録音が存在しているが、こうして改めて第三稿を鑑賞すると、やはり一番聴きやすく、すぐにまたリピートしたくなる思いに替わるのだ。楽曲の冒頭を聴けば、すぐに朝比奈隆と解る演奏内容で、20年経った今でも感動は変わることは無かった。おそらく技術的な側面は、現在の方が良いのかもしれないが、そんな表面的な内容など簡単に飛び越えてくる何かが、朝比奈演奏には存在している。時間をかけて追及していきたいものだ。
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