久しぶりに団体列車の撮影に出向いてきた。
随分前からの告知があり、それとなく遠目で伺っていたが、好天にも誘われてしまい久々の北関東へと足を向けたのだ。「時を越えて蘇る昭和の「旧型客車」レトロな気分を味わえる特別乗車体験」と銘打たれたこの臨時列車、使用された車両は、現代ではとても珍しく貴重になってしまったことは紛れもない事実。客車列車の運転でさえ、全国で貴重になった時代であり、けん引を務める機関車が、これまた国鉄時代に生まれた絶大な人気の電気機関車とくれば、おおよそ沿線はどんな光景になるのか想像がついていた。それでも、やはり一目見たくて身体が動いてしまった。列車の行路をみると、やはり撮影ポイントのメインは両毛線内の栃木県側であることは明らかで、懐かしさも手伝って行ってみたのだが、かつてよく見た光景は、雑草に覆われ、岩船山をバックに撮影可能なポイントは自然に変わっていて呆然。御召列車の撮影にも何百人も集結したポイントでもあるはずだが、そんな輝いた面影は無くなってしまった。
たった1本の臨時列車に、全国各地から鉄道ファンが集まってくるといった現象も、現代を象徴している気がしてならない。一期一会の瞬間に期待と希望、そして郷愁をもって集まってきたファン達の混じっての撮影は、若き頃のわくわくして列車を待ったあの気持ちを思い起こし、どこか懐かしく感じながらシャッターを押していた。こんな撮影も時には心の刺激として続けられたらと、考え直したところである。
今回の画像は、似た画像がネット上に多く見られるので、ここでは昔両毛線で撮影したものを掲載しておく。今回と同じような、客車4両を機関車がサンドイッチしたPP編成。写真は、同年走った御召列車の試運転列車で、EF58 61と89号機が12系客車をけん引している。この時は、ほんの数人しかファンは見かけなかったはず。これが日常の光景だった。
1996-10-16 試9654 EF58 89/12系4B/EF58 61 JR東日本/両毛線:岩舟-佐野
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