アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

元祖国電の引退(101系)

2013-09-14 19:05:51 | 国鉄時代(カラー)

最後の最後まで秩父鉄道で残っていた元祖国電である101系がとうとう引退したらしい。先日特別列車が走ったという記事をどこかで読んだが、この101系は、その成り立ちにおいても価値があるのでやはり残念でならない。

アントンKの101系の思い出といえば、鉄道写真の原点であった三鷹電車区や、付近の中央線で使用されていた快速電車たちまで遡ってしまう。当時は、あまりに日常過ぎて、101系よりむしろ新製仕立ての103系の方が関心があったように思うが、まだ勢力は圧倒的に101系の天下で、カナリヤ色の総武101系とともに、まだまだ腕が未熟だった当時の撮影の練習電車(と言っては失礼な話だが)になっていた。

101系と言えば、開業して間もない武蔵野線に試乗しに行ったこともある。府中本町からだったと思うが、ここから続く長いトンネルのために改造された1000番代に乗ってみたくて、始発から先頭の運転室にへばりつき終点まで行った。当時の武蔵野線は、まだ貨物列車主体で、電車本数は限られていたように思うが、千葉県まで随分遠く感じて、帰路は常磐線で帰った記憶がある。また学生時代鉄研の学友には、101系のマニアがいて良く議論したことも良い思い出だ。彼曰く、「101系は、103系より乗り心地が良い!」のだそうだ。そのことを検証しに、101系に二人に乗りに行ったことも懐かしい。

写真は、青梅線に週末になると乗り入れていた、特別快速「みたけ」号。当時は、行楽シーズンになると当たり前のように、何本も特快が乗り入れてくる。拝島でうしろ3輌を切り離し、7両で御嶽まで入線していたように思う。冷房装置など無く、グローブ型ベンチレーターが並び、デザインはシンプルだが存在感があり、一番身近な電車のイメージがまだあるのはどうしたことか・・・

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1976(S51)-04-18      885H 特別快速「みたけ」  Mc100-60ほか7連    青梅線:沢井-軍畑

                    Nikon  FTN   MF NikKor 105mm f/2.5S    KODAK ネガカラー


「さくら・はやぶさ」併結ブルトレ

2013-09-13 20:34:07 | 10年前の足あと

最近、10年前の記憶はだいぶ薄れてきてしまったことに気づいた。こうしてここで、写真を振りかえり、コメントを考えなければ、どんどん忘れて行ってしまうことなのだろう。当時の撮影データは残っているから、撮影場所や、カメラ、レンズはわかるとしても、気候や、その時の想いは印象にないことが多い。その時は、日常であることの記録撮影が多いため、当然かもしれないが、イベント物でもない限り、印象は薄くなるから、今後はもっと細かく日記のように書き綴っておいた方が良いかもしれない。でも、多分続かないと思う・・・

9月は不作の月のようで、撮影回数は極端に少ない。何かの次いでで撮影した「さくら・はやぶさ」の東海道線ブルートレイン。当時の東海道スジには、この「さくら・はやぶさ」のほか、「富士」、そして早朝グループには、「出雲」や「あさかぜ」が健在であった。今にして思えば華やかに感じるが、当時のことを思い返してみると、随分と減便されたことに落胆していたように思う。特に、今までの2本のブルトレが併結だなんて考えもしなかったから、とうとう来る時が来たか!ってな印象を持っていたように思う。関西ブルトレが最後は併結になり消えていったから、やはり同じ道なのかという疑念を持ったこともこの頃からだろうか。

写真は、湯河原を定時で通過する「さくら・はやぶさ」。このHMは、その当時写真写りが悪く、仲間内では不評だったことを思い出した。色が白っぽいから、カラー映えせず、デザインもはっきりしない。その後に登場した「富士・はやぶさ」のHMの方がカマにマッチしていて好きだった。

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2003(H15)-09-15      4レ  EF6650  さくら・はやぶさ      JR東日本/東海道本線:湯河原-真鶴

            Nikon  F3P  MF Nikkor  180mm  f/2.8S  RDP3 +1増感


柳家小三治を聴く

2013-09-11 20:27:31 | 音楽/芸術

地元で小三治を聴いてきた。

今や小三治と言えば、落語界では巨匠の部類になるのだろうか。名人には違いないから、やはり巨匠と呼ばれてもおかしくはないだろう。しかし今日もほぼ満席。ここは、1500人は入るだろうから、いくらマイクを置いたところで少し大きくはないか。幸い前列の席だったから、表情まで楽しめたが、2階席では喋りのみだろうな。相変わらずすごい人気に敬服する。さて、開口一番で、柳家ろべえが「お菊の皿」を熱演。若手だからか、随分と元気が良い喋り。会場となかなかかみ合わない雰囲気が伝わってきた。そしてその後、小三治が登場。やはり舞台の袖から現れた時からの邑楽がまるで違う。空気が一瞬で変わっていく。体調がすぐれないような感じも覗えたが、喋りはさすがに至ってスムーズで素晴らしい。今度は人情話が聴きたくなった。

 

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柳家ろべえ  「お菊の皿」

柳家小三治 「金明竹」

(仲入り)

柳家小三治 「かんしゃく」

2013(H25)-09-09    東京蒲田アプリコ大ホール

 


コバケン/都響のチャイコフスキー第4を聴く

2013-09-08 19:25:49 | 音楽/芸術

今日は、サントリーホールにて演奏された東京都交響楽団のプロムナードコンサートへ行ってきた。

 都響の演奏会は今まで何度も聴く機会があったが、今日の指揮者である小林研一郎との組み合わせは聴いたことがない。小林研一郎(コバケン)と言えば、日本フィルであり、チェコ・フィルであって、完全にお互いの意思の疎通というものが感じられていたものだが、最近では、日本フィルの常任を降りたこともあって、国内の他のオケも積極的に振っているようだ。本日の都響しかり、読響もしかり・・

オケが変わっても、コバケンの音楽へのスタンスは変わってはいないようで少し安心した。相変わらず、情熱を持って音楽に向かい、時には感情を爆発する。これが、「炎のコバケン」と言われる由縁なのだが、いくつになってもこのスタイルは保っていて欲しい。前半のコンチェルトでは、Vnの三浦文彰を時にはリードし、伴奏を理想的にこなしていたように思う。そして後半のメインプロ、チャイコフスキーの第4だ。やはりコバケン自身、チャイコは十八番のようで、自己主張が激しく、またそれが曲とマッチしているから、少しも嫌味に聞こえないのが良い。どちらかと言えば、落ち着いたテンポで通していたが、オケの鳴りっぷりも素晴らしく感動ものだった。フィナーレのコーダでは、オケをアッチェランドであおりまくり、興奮した頂点で終結する解釈で、聴衆も大興奮のるつぼと化したのだ。終了後の各パートへの労いも相変わらずで、オケとの信頼感を感じ取ることが出来たように思う。客席に向かって一言二言しゃべった後、エグイくらいデフォルメされたブラームスのハンガリー舞曲の第5!もう最高だった。

第355回 プロムナードコンサート

    メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」 OP26

    メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 OP64

    チャイコフフスキー 交響曲第4番 ヘ短調 OP36

(アンコール)

    ブラームス   ハンガリー舞曲 第5番

指揮/小林研一郎

Vn/三浦文彰

東京都交響楽団

 


スヴェトラーノフの快演!

2013-09-04 20:24:48 | 音楽/芸術

9月だというのに、相変わらず暑い日が続いている。おまけに日本列島は各地で天気が不安定となり、あちこちで豪雨や洪水が起きている。今朝の東京も早朝から荒れた天気で、稲光が低く垂れこめた雲の中から不気味に光って気味悪かった。こんな気分がすぐれないときには、スカッとスヴェトラーノフの演奏が恋しくなる。彼が他界して早10年以上になったが、今でも、その豪快な指揮ぶりは、この目に焼き付いていて、生まれて出る音楽に勇気づけられる。

やはり、スヴェトラならチャイコフスキーだろうか。シンフォニーと言いたいところだが、今回は三大バレエ音楽、すなわち「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「白鳥の湖」を取り出して久しぶりに聴いてみた。この三曲、共通して言えることは、いくらバレエ曲とは言え、どれもこの演奏では踊れないだろうということ。バレエ音楽、それも特に超有名な「白鳥の湖」何て今さらと思うことなかれ、緩急自在な演奏は当り前で、感情移入が激しくあちこちで泣きが入る。そして終結部は、例のスヴェトラクレッシェンドだ!こうなるともう、聴けば聴くほどスヴェトラーノフが心に入って虜になってしまうのだ。音楽の作り方が、ロシア人独特で、各声部をまるで油絵のように塗り重ねて音を作っていき、ロシアのオケの強烈なまでの管楽器も相まって、圧倒的なサウンドが展開されている。もちろん、感情移入は望むところで、チャイコフスキーで感情移入が無いなんて、水分のないスープみたいなものだから、大いにやらかして欲しいと思っているのだ。

大音量で聴き込めば、暑さなんて吹っ飛ぶというもの。機会があれば是非耳にして欲しいと思う。

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チャコフスキー バレエ音楽「Swan Lake」  OP.20

                                 「Nutcracker」 OP.71

                                 「 Sleeping Beaty」 OP.66    Melodiya MELCD1001951