アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

EF65F型の魅力とは・・

2016-08-20 12:00:00 | 鉄道写真(EL)

この盆休み、新たな仲間と岐阜まで遠征してきた。

彼はアントンKより一世代お若く、大の機関車ファン。特にEF65にかけてはおそらく国内でも5本の指に入るのではないかというくらいのロクゴ猛者であった。こんなことは、丸一日撮影を共にしないと判らなかった訳で、自分にとっても撮影以外大変刺激を受けた一日だったのだ。

アントンKにとってEF65、それも貫通扉のない一般型、P型それにF型というとどうしてもブルトレ牽引に当たったP型が思い浮かび、ヘッドマークを掲げて華やかなイメージが先行してしまうが、年齢が一世代変わる事によって、同じ機関車でも全く印象が異なることが今さらながら痛感できたのだ。僕等は紛れも無くEF58という機関車であったが、彼等はそれがEF65に置き換わっただけで、時代は違っていても同じ時間を過ごしてきたようで、どこか嬉しく感じてしまった。

掲載写真は、今回一日お付き合い頂いて特に話題になったEF65のF型牽引による石油列車。特にF型のヒサシ付きがお好みということで探してみた。当時からモノクロが多く、カラー写真は大した写真は残せなかったが、その中から1枚貼っておく。粗雑な処理画像をお許し下さい。

80年代後半、高崎線の午前中にEF65重連の石油列車の設定があった。少しずつ列車番号を変えながら数年間存在していたと思うが、当時は、この列車を撮影してから仕事に向かうことが日課だった。P型先頭でやってくると、当時はどうしても都落ちした「かつての英雄」のように思えて可哀そうに感じたもの。あれから30年近く時間が経って、この機関車を必死に追っていた仲間とこうして心を一つに出来るなんて考えもしなかった。鉄道趣味の大きさ、そして継続の力を強く感じた日であった。

1987-11-25     5782レ  EF65521+519                                高崎線/ 新町-神保原にて


113系回顧録

2016-08-19 13:00:00 | 鉄道写真(EC)

首都圏の電車のほとんどがステンレス製のラッピングになって久しい。

昔学生の頃は、私鉄はステンレス製、国鉄は鋼製なんて印象があったが、今や鋼製でカラフルな塗装の車輛を探すほうが大変な時代に変わってしまった。国鉄時代の車輛たちは、特急色、急行色や地方のDCに至るまで、日本の気候、風土に溶け込み今さらながら素晴らしい外観色だったことを思い知らされる。

無くなってから気づくこと。世の中にはたくさんあるものだ。

東海道線から湘南色が消える!そんな嘘のようなホントのことが起こったこの時代。撮影目的は違っていても、いつも必ずファインダーに入ってきた113系電車。アントンKにとって、何より身近だった近郊型という系列の車輛たち。スカ色とともにこの湘南色は、一番馴染みのある塗装色だろう。

掲載写真は、そんな東海道線東京口の113系末期の頃のもの。惜別のヘッドマーク付きで最後の力走を見せていた。奥に見える京浜線も現在より一世代前の209系。人生なんて思いのほか短いのかもしれない。

 


ギーレンのブルックナー全集

2016-08-17 15:00:00 | 音楽/芸術

超ド級のブルックナー全集が発売されたので、書き留めておきたい。

ミヒャエル・ギーレンの指揮するブルックナー全集のことである。最近、ギーレンの名を中々聞かなくなってしまったが、どうやら2014年に指揮者を引退していたらしい。レコーディングも少なく、日本でもどのくらいの認知度があるのかよくわからないが、知る人ぞ知ると言ったかなりマニアックな指揮者だろう。来日も過去に何度となくあるが、アントンKは、実演には触れたことがない。20年以上前の1992年が最後の来日らしいが、当時の印象も、いわゆる「辛口」の演奏だったらしい。

アントンKはこのギーレン、録音でしか触れていないが、その定評通り、何の情感も音楽に感じないストレートな解釈であり、自分の求める音楽とは違っていた印象を昔から持っている。あらゆる楽曲に冷たさや暗さを感じていたのだ。時にその表現が、的を得てとてつもない感動を呼ぶことがあるが、(昔聴いたムラヴィンスキーのように・・)、概して鳴っている音楽からは鳥肌の立つような感覚はなかった。

今回のブルックナーの交響曲全集は、録音が、1968年から2013年まで実に45年間のスパンで録音されており、この全集のうち第1・第2・第8.第9番の4曲は初録音となっている。そしてそれは録音用ではなく、演奏会のライブ音源なのである。既存の楽曲については、(第3・第4・第5・第6・第7)以前から所有しており、ギーレンのブルックナー解釈の印象は、他と大して変わらない印象だった。つまり音楽が硬直していてゴツゴツと音の塊が迫る印象を持っていた。そこには、温もりや情感は皆無であり、他の楽曲同様ドライな演奏が展開されていた。ブルックナーに人間的な情感は求めないが、あまりにも冷めている味気ない演奏は、求めるものとは隔離していたのだ。

しかし近年(とはいっても5年以上前だと思う)、NHK・FMのライブ放送番組の中で、ギーレン指揮のブルックナーの第1の演奏会の放送があり、エアチェックしながら聴いた時、以前までのギーレンの印象がまるで変わり、見違える様な演奏になっていたのだ。それまでの無機質でクールな解釈は影をひそめ、ドラマティックな熱い演奏がラジオスピーカーから聴こえてきた。残念ながらその時の放送は途中緊急地震速報が割り込み、放送自体中断してしまい、録音は失敗に終わったが、ずっとその時の演奏は強く心の中に残っていた。そして晴れて今回正規なCDとして発売され、この第1番(おそらく同じ時期のものだと思う)も聴くことができたという訳だ。

長くなるので詳細は書かないが、この第1番は、ウィーン稿で演奏されており、現状この版での演奏の中ではベストだろうと思う。この間、シャイーの第1が良い演奏と書いたばかりだが、これを大きく飛び越えてしまったから仕方がない。全ての楽章に新しい発見があり、特にフィナーレの後半は、これぞウィーン稿と言ってよいほど的を得た解釈に感じている。近年に録音された第8や第9も素晴らしく、この45年間で指揮者ギーレンは別人になっている。円熟の境地とかいう簡単な言葉で片付けられるのかよく判らないが、ここまで激変した指揮者をアントンKは知らない。そして良く分からなくなってきた。今一度、ゆっくり聴き返してみようと思っている。

ミヒャエル・ギーレン指揮

バーデン・バーデン南西ドイツ放送交響楽団

ザールブリュッケン放送交響楽団(第2)

 


元祖カシオペア塗装機

2016-08-14 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

6月から団体列車として週末中心に運転されている「カシオペア」も、いよいよ残りわずかとなってしまった。とはいっても、これは札幌までの行程の話。来月からは、信州へ「カシオペア」が向かうというが、これも団体列車としての運転らしい。このE26系も昔流行ったジョイフルトレイン化してしまったようだ。あちこち走破して、ファンの目を楽しませてくれるのは、大いに有難いことだが、エスカレートし過ぎたファンの行き過ぎた行動はどうしたものか・・ごく一部の人たちの言動や行動によって、こういった列車の運転自体を殺がれてしまう事態に成りかねないということに気が付いてほしい。節にお願いしたいところだ。

この週末は、若いファンの方々とともに撮影に出るつもりでいた。しかし予期せぬ出来事が舞い込んでしまい、とうとうそれは叶わぬ仕舞いとなってしまった。こういった機会のお若いファン達との趣味のキャッチボールは、年齢や経験を越えて楽しみであり、また勉強させられるケースが多いだけに大変残念であった。また次の機会を見つけて是非参加させて頂きたい。

そんな思いもあり、今回は同じ撮影ポイントで撮ったもので更新させてもらう。

専用色にもなった最新鋭機EF510が貨物会社へと売却。再び貫禄の国鉄型EF81に返り咲いた「カシオペア」ではあるが、もともとは、カシオペアにはEF81にも専用色が存在した。人気が今一つだったためか、今では忘れられつつあるようだが、3~4台のEF81が用意されていたことを思い出す。現在は、田端区に残った数両が交互に運用に就いているようだが、どれも最後のご奉公的お姿を披露しており、アントンKの目にはどこか痛々しく見えてしまう。

現在もあるようだが、この年、線路の真下を横切る道路に真新しい柵が設置されてしまった。線路端設置のため、どうにも構図内に鎮座し見苦しく、この時は長めのレンズで無理やり引っ張った。ここのポイントには立派な桜の木もあり、ベスト時期は4月だと思っているが、ドラマティックな朝日を斜めに受け、暗闇から姿を現したパーイチは、白坊主と言われようとも凛々しく、自分としては気に入っている。

 

2009-08             8010レ  EF8192  カシオペア


「ゼロロク」を回顧

2016-08-13 09:00:00 | 鉄道写真(EL)

「ゼロロク」 

いつからこう呼ぶようになったのかアントンKは知らないが、今の若手の機関車ファンの間ではこう呼ばれている、EF66の初期型0番代。0番代のロクロクだから、短く今風にゼロロクと呼んだのだろう。中々的を得ているように思う。以前にも記事にしていると思うが、このEF66は、特急貨物用機として誕生したものの、長年東海道線の寝台特急列車の牽引に当たっていた恵まれた機関車だった。ブルトレの先頭に立ったのは、二次形以降のヒサシが付いたタイプだったが、(例外あり)掲載した一次形は、ヒサシなどの装備は無く、すっきりした御顔立ちだった。アントンKには、この姿こそ本来のEF66であり、今言うところの「ゼロロク」ではないか。

写真は、根府川~早川間、通称「米神」で捕らえた「ゼロロク」の牽く特急貨物列車。この時代、夜行列車は毎日上ってくるが、撮影者などほとんど見かけることもなく、のんびりと撮影ができたもの。もちろん、この「ゼロロク」を狙って撮影した訳もなく、偶然やってきた機関車がたまたま「ゼロロク」だっただけの日常の光景だ。この写真に写る3号機を見ると、いかに現在の「ゼロロク」が、「ニーナ」に至っても不格好かお分かり頂けるだろうか。

40年以上変わらずに走り続けている「ゼロロク」。そのことだけでも奇跡に思えるから無理は言えないが、現存の1両で、また昔の形体を見てみたいものだ。

1996-06-20      5054レ        EF663        東海道本線/ 早川-根府川にて