アントンKにとって起床してから朝食までの時間は、1日の中でも最も重要な時間。
小1時間くらいのことだが、あるとないとでは、その1日が大きく違ってくるように思っている。特に何をすると決めている訳でもなく自由気ままに、しかし充実した時間になる。今の季節では、日の出も早いので、場合によってはカメラを持って近所に出ることもあるが、大概は自室でブルックナーを鳴らす。朝はシンフォニーではなくミサやモテット等の宗教曲を聴いている。同じものを何回も繰り返して聴いているが、どこか心が落ち着き、頭の中がすっきりするのだ。
ブルックナーの宗教曲というと、交響曲よりも若書きのものが多く、日本では軽視されがちで、めったに実演奏はない。朝聴いているようなモテットなどは、未だ聴いたことがない。今後も国内では無理だろうから、リンツにでも行って本場の空気感の中聴いてみたいと思うが、果たして・・・
この手の音楽は、コンサートホールというよりも、残響豊かな小さな教会で聴くことが相応しい。
そんなことを想いながら、今日も猛暑の東京で日常と戦っている。
2016-08-10 記