2010年9月4日公開 フランス 104分
ビデオ店で働くバジル(ダニー・ブーン)は、ある日発砲事件に巻き込まれ、一命は取り留めたものの、頭には流れ弾が残ってしまう。仕事も家も失ったバジルは、野宿しながらパントマイムで日銭を稼いで暮らしていた。そんなバジルを見かけたガラクタ修理屋プラカール(ジャン=ピエール・マリエル)は、彼を仲間の所へ連れて行く。そこには、とても個性豊かな人々が住んでいた。体を四つ折にできる“軟体女”(ジュリー・フュリエ)、何でも即座に計ってしまう“計算機”(マリー=ジュリー・ボー)、ギネス記録を持つ“人間大砲”(ドミニク・ピノン)、四字熟語やことわざが得意の元民族学研究者“言語オタク”(オマール・シー)、ガラクタから何でも作ってしまう“発明家”(ミッシェル・クレマド)。廃品に囲まれた工場みたいな家には、笑顔と温かな空気が満ちていた。新たな人生を歩み始めたバジルだったが、ガラクタ集めの途中で自分の頭に残る銃弾を造った会社(オーベルヴィリエ軍事会社)と30年前に父の命を奪った地雷を造った会社(ヴィジランテ兵器会社)が向かい合って建っているのを見つける。自分の人生をメチャクチャにした2つの兵器製造会社を許すことは出来ないと、バジルは仲間たちと共に“死の商人”への仕返しを開始する……。
昨年秋に公開されていた作品ですが、いきつけのシネコンに年が明けて上映されることになったので、早速観てきました。
周囲で観た人の評価が大変良かったのも納得です。
非暴力、非戦を貫く復讐劇というのがまず何よりも気に入りました。
バジルを温かく迎え入れてくれ、仲間=家族に気を配る肝っ玉母さん風な“料理番”(ヨランド・モロー)にも悲しい過去があります。バジルも彼の仲間たちもホームレスに分類される社会の負け組ですが、その特技と個性を存分に発揮してユニークな悪戯(といっても十分に計算された筋書きですが)を仕掛けます。
フヌイエ(アンドレ・デュソリエ)とマルコーニ(ニコラ・マリエ)ら軍需産業で巨万の富を築いた死の商人たちへの悪戯の中で、彼らの趣味の悪さや身勝手さを笑いものにしてしまうのです。
例えば、煙突から盗聴作戦で知った情報を基に、収集した有名人の遺品(爪とか眼球とか肝臓とかちょっとグロイ)を盗むエピは笑えます。
偽の取引で双方を疑心暗鬼にさせ喧嘩を煽るやり方も彼らの特技を上手く使っていて面白かったですが、バジルたちは決して他者を傷つけたりはしません。その点もこの作品に親しみを感じるところです。
フヌイエたちに計画がばれてバジルが拉致された時も、頼もしい仲間たちのお蔭で窮地を脱し、反撃に転じるのですが、この作戦がまた愉快。そして「騙された武器商人」の滑稽さがユーチューブで流されるのもとても現代風。
また、悪戯計画の中で生まれるバジルと軟体女恋愛感情も楽しかったです。それにしても彼女の特技は本物?と気になった~~(^^;
全体的にモノクロなサイレント映画のような独特な雰囲気を漂わせていたのも作品の持つ味わいに深みを与えていました。
ビデオ店で働くバジル(ダニー・ブーン)は、ある日発砲事件に巻き込まれ、一命は取り留めたものの、頭には流れ弾が残ってしまう。仕事も家も失ったバジルは、野宿しながらパントマイムで日銭を稼いで暮らしていた。そんなバジルを見かけたガラクタ修理屋プラカール(ジャン=ピエール・マリエル)は、彼を仲間の所へ連れて行く。そこには、とても個性豊かな人々が住んでいた。体を四つ折にできる“軟体女”(ジュリー・フュリエ)、何でも即座に計ってしまう“計算機”(マリー=ジュリー・ボー)、ギネス記録を持つ“人間大砲”(ドミニク・ピノン)、四字熟語やことわざが得意の元民族学研究者“言語オタク”(オマール・シー)、ガラクタから何でも作ってしまう“発明家”(ミッシェル・クレマド)。廃品に囲まれた工場みたいな家には、笑顔と温かな空気が満ちていた。新たな人生を歩み始めたバジルだったが、ガラクタ集めの途中で自分の頭に残る銃弾を造った会社(オーベルヴィリエ軍事会社)と30年前に父の命を奪った地雷を造った会社(ヴィジランテ兵器会社)が向かい合って建っているのを見つける。自分の人生をメチャクチャにした2つの兵器製造会社を許すことは出来ないと、バジルは仲間たちと共に“死の商人”への仕返しを開始する……。
昨年秋に公開されていた作品ですが、いきつけのシネコンに年が明けて上映されることになったので、早速観てきました。
周囲で観た人の評価が大変良かったのも納得です。
非暴力、非戦を貫く復讐劇というのがまず何よりも気に入りました。
バジルを温かく迎え入れてくれ、仲間=家族に気を配る肝っ玉母さん風な“料理番”(ヨランド・モロー)にも悲しい過去があります。バジルも彼の仲間たちもホームレスに分類される社会の負け組ですが、その特技と個性を存分に発揮してユニークな悪戯(といっても十分に計算された筋書きですが)を仕掛けます。
フヌイエ(アンドレ・デュソリエ)とマルコーニ(ニコラ・マリエ)ら軍需産業で巨万の富を築いた死の商人たちへの悪戯の中で、彼らの趣味の悪さや身勝手さを笑いものにしてしまうのです。
例えば、煙突から盗聴作戦で知った情報を基に、収集した有名人の遺品(爪とか眼球とか肝臓とかちょっとグロイ)を盗むエピは笑えます。
偽の取引で双方を疑心暗鬼にさせ喧嘩を煽るやり方も彼らの特技を上手く使っていて面白かったですが、バジルたちは決して他者を傷つけたりはしません。その点もこの作品に親しみを感じるところです。
フヌイエたちに計画がばれてバジルが拉致された時も、頼もしい仲間たちのお蔭で窮地を脱し、反撃に転じるのですが、この作戦がまた愉快。そして「騙された武器商人」の滑稽さがユーチューブで流されるのもとても現代風。
また、悪戯計画の中で生まれるバジルと軟体女恋愛感情も楽しかったです。それにしても彼女の特技は本物?と気になった~~(^^;
全体的にモノクロなサイレント映画のような独特な雰囲気を漂わせていたのも作品の持つ味わいに深みを与えていました。