杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

毎日かあさん 試写会

2011年01月22日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
東商ホール 14:00開場 14:30開映 

2011年2月5日公開予定 118分

今日もサイバラ家に、嵐のような朝がやってきた。仕事場の机で寝てしまったサイバラリエコ(小泉今日子)を大声で起こす母トシエ(正司照枝)。息子のブンジ(矢部光祐)は6歳になってもまだオネショのクセが治らない。ブンジと4歳の娘フミ(小西舞優)を保育園に送り届けるが、サイバラのママ友でもある麦田さん(鈴木砂羽)が5人の息子たちを体育座りさせ点呼をしたり、子供たちが走り回ったりとそこは戦場のような世界。そんな保育園を後にして、ようやく忙しい朝は一段落するが、締め切りに追われる人気漫画家のサイバラは休む暇もなく仕事開始。優秀なアシスタントの愛ちゃん(田畑智子)と共に夜遅くまで働くのだった。だが仕事が終わると、次は子供たちを寝かせる時間だ。一日の終わりのひと時の楽しみは、子供たちは絵本、母は酒。サイバラが子供たちの布団の中でグラス片手に絵本を読み聞かせると、目まぐるしい一日も何とか無事に終わりを迎える。一方、元戦場カメラマンの夫カモシダ(永瀬正敏)は、アルコール依存症で病院に入院中。ところがある日、勝手に退院してきた彼は、作家になると宣言したものの原稿も書かずにまた酒に手を伸ばしてしまう。やがてカモシダの心は日に日に混乱し、妄想がひどくなり、とうとうサイバラは彼に離婚届けを渡す。失ったものの大きさに気付いたカモシダは、完全隔離された病院に転院することを決意。海辺の病院に入院する彼を見送るために、4人の元家族は久しぶりに再会する。サイバラは、友人のゴンゾ(古田新太)に紹介されて、バンコクで初めてカモシダと会った時のことを思い出していた。時は流れ、子供たちも父親の不在に寂しさを募らせる中、遂にカモシダが依存症を克服、サイバラは元夫を家族として再び迎え入れる。しかし、喜びも束の間、今度はカモシダのガンが発覚。ようやくしっかりと手を繋いだ家族に、避けられない別れが待っていた……。(goo映画より)

西原理恵子の実体験に基づく同名漫画の映画化です。
漫画家の妻と元戦場カメラマンの夫、二人の子供たち、妻の母との何気ない日常が描かれています。

戦場カメラマンって、去年のキーワードだね(笑)
帰還兵もですが、生と死が隣り合わせの不条理な世界に身を置くと、心のどこかが壊れてしまうのかなぁ?この映画の中の「夫」もアルコール依存症から抜け出せず、もちろん本人も苦しいのでしょうが、やはり家族に与えた苦しみは映画で描かれるような程度では済まなかったのだろうと思います。離婚を決意する前に暴れたシーンのような壮絶な毎日があったのだろうなぁ・・。それを忠実に描こうとしたら、ファミリー映画にはなりえないから、随分オブラートに包んだのだろうと想像しながら観てしまいました。

でも、酒が入っていない時の夫はとっても良いお父さんで、子供たちと一緒に遊ぶ姿は微笑ましいばかりです。愛して守らなければならない家族がいるのに、どうして??と思うけれど、それがつまり依存症の恐ろしさなのでしょうか。

ともあれ、この作品の主題はアル中の夫ではありません。
アホな行動をしでかす息子(アホロートル飼ってること自体が象徴的で笑えますが、案外妹思いで、父に会いに行くエピソードは泣かせます)や、おませな娘の世話をしながら、忙しい漫画家稼業をこなし、果ては面倒ばかり起こす夫の尻拭いまでする大変な毎日を、笑顔で自然体に乗り切る「かあさん」の姿にこそあるのです。毎日起こる些細な、でもかけがえない愛しさを内包する出来事を、共に笑い、怒り、悲しむかあさんを見ていると、どんな大変なこともいつか笑いに変えて乗り越えていく強さを感じて「ああ、大丈夫。生きていける」と安心するのです。

主演の2人が実生活で元夫婦だったことも話題になっていますが、ほんと、役者って辛いもんだなぁってちょっと思ってしまった。演じていて過去の自分たちとかダブってこないんだろうか? (^^;

舌足らずな妹娘の喋り方が可愛くて、昔のやんちゃ坊主風な息子も可愛くて、何より どんなことが起きても笑ってど~~んと構えている「かあさん」が素敵に思えた映画でした。

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