杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

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2011年01月20日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2011年1月15日公開 アメリカ 120分

2003年。ハーバード大2年のマーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、プログラマーやハッカーとして天才的な能力を持つ一方人間関係を築くのが下手で、ガールフレンドのエリカ(ルーニー・マーラ)を怒らせ別れを告げられる。やけになりブログに彼女の悪口を書いたり、ハッキングで集めた大学寮の女子学生たちの写真で人気投票をするサイトを作ったことで、マークの名前はハーバード中に知れ渡る。これがきっかけで双子のウィンクルボス兄弟は自分たちが企画した学内出会い系サイト“ハーバードコネクション” 立ち上げの協力を要請するが、マークは彼らに黙って自ら“フェイスブック”をエドゥアルド・サベリン(アンドリュー・ガーフィールド)と共に立ち上げる。怒った兄弟は弁護士を通じて停止警告を送るがマークは無視する。NYへ広告スポンサー候補との会合に出かけた際、19歳で“ナップスター”を作ったショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)に出会い彼に傾倒していくマークにエドゥアルドは危惧を抱くのだった。やがてウィンクルボス兄弟はアイデアの盗用で、エドゥアルドは創業者としての権利を主張しマークを告訴して・・・。


GFのエリカとの喧嘩から始まるこの物語。マークの性格的な欠点が強調される冒頭シーンだ。他人を傷つけることに鈍感なくせに自分への批判には敏感で攻撃的。嫌な男だ。独創的な天才としての面は高く評価しても、人としてはどうなの?という思いが最後まで消えなかった。訴訟のテーブルで繰り返される噛み合わない会話が象徴的だった。
それでも彼が最後まで気にしていたのはエリカであることがラストシーンで描かれる。対比という意味では上手い演出。

マークの鈍感さは親友のエドゥアルドに対しても同様だ。いや、鈍感とは違うかな?彼は確かに自分を唯一理解し協力してくれる親友に対して感謝していたと思う。結果的にエドゥアルドを切り捨てたのは、傾倒するショーンに引きずられた感がある。それでも同意したのはマーク自身だから、そこに同情の余地はない。

ウィンクルボス兄弟の方がよほど紳士的ではあるが、アイディアの盗用に関しては大学の学長の見解も間違ってはいないように思えた。所詮アイディアを形に出来る人間が成功するんだな、世の中は。兄弟は世間知らずの凡人の代表としての役回りだったような。

学生のお遊びから発したネットワーク事業が世界に広がることで莫大な利益を生み出す道具となり、本人の思惑を超えて一人歩きを始めることの恐さも見せ付けられた気がした。

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