川渕圭一 著 幻冬舎文庫
パチプロ、サラリーマン、引きこもりを経て、37歳で研修医になった僕。夢と希望を抱き大学病院に乗り込んだが、そこはおかしな奴らの巣窟だった。高額時給のバイトに勤しむ医師、夜な夜なナースの回診に出かける研修医、患者の受け入れより優先される教授回診…。実体験を基にハチャメチャな医療現場と新米医師の成長を描いたエンターテインメント。 (「BOOK」データベースより)
今春のTVドラマ「37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜」の原作本のうちの一つですが、主人公に著者本人の名前が付けられているということで、小説というよりエッセイに近い気がしました。ちなみに著者は東京大学工学部を卒業し大学院を中退後、会社勤務を経て、30歳で医師を目指し、37歳で京都大学医学部を卒業後4年間大学病院で研修医として働いたその実体験を元に書いたそうです。
「僕」の人生は父親の死をきっかけに変わってしまいます。父の死の理由が赤坂プリンスホテルの火災というのが、当時の事件を知る人にはちょっと衝撃的かも。
学業や仕事が長続きせずうつ状態に陥りますが、信頼出来る精神科医と出会えなかったことで逆に「医者になる」という出口を見つけるあたりただものではない
一回り以上年の違う同級生たちと医学を学ぶのも相当な勇気と信念と何より学力が無ければできないことですね
晴れて研修医となって大学病院に勤務した「僕」はそこで現実の医師の姿を知ることになります。もちろん大学病院という特殊な世界の事情なので、全ての医者がそうだということではないのですが、「僕」の思う医師のあるべき姿とはかなり落差があったのでした。
研修医の日常を書いた小説は他にもあるし、その過酷なまでの労働環境についても様々に書かれているので、今さら驚くことでもないのですが、最初から医師を目指したわけでない筆者の視点は、私たち一般人が業界を覗き見るのとそれほど変わらないようです。
大学病院で働く医師にとって大事なことは、患者に寄り添う医療を施すことよりも研究や教授の意向という現実に疑問を感じ、自分なりの医療を模索する姿は好感が持てます。
けれども、小説の主人公としては、あまり魅力的とは言えないかな
群れない一匹狼タイプといえばカッコイイけど、協調性のなさや頑固さに未熟さが透けて見えるんだよねぇ
病院への不満や愚痴が何度も出てくるのもちょっとしつこいかも
人生回り道をしたとはいえ高学歴には変わりないし、医師としての自意識も相当に高いように感じられて、それが逆に読んでいて高慢に感じる時もありました。
元々ドラマが気に入って原作を読もうと思ったのですが、申し訳ないけど比較するとドラマの脚本の方が優れているように思いました
このシリーズは他に数作出ていますが、以後は主人公の名前こそ変わっているけれど、内容的には似たようなエピソードで、何だか同じ物語を何度も書き直して出しているようでちょっと残念
パチプロ、サラリーマン、引きこもりを経て、37歳で研修医になった僕。夢と希望を抱き大学病院に乗り込んだが、そこはおかしな奴らの巣窟だった。高額時給のバイトに勤しむ医師、夜な夜なナースの回診に出かける研修医、患者の受け入れより優先される教授回診…。実体験を基にハチャメチャな医療現場と新米医師の成長を描いたエンターテインメント。 (「BOOK」データベースより)
今春のTVドラマ「37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜」の原作本のうちの一つですが、主人公に著者本人の名前が付けられているということで、小説というよりエッセイに近い気がしました。ちなみに著者は東京大学工学部を卒業し大学院を中退後、会社勤務を経て、30歳で医師を目指し、37歳で京都大学医学部を卒業後4年間大学病院で研修医として働いたその実体験を元に書いたそうです。
「僕」の人生は父親の死をきっかけに変わってしまいます。父の死の理由が赤坂プリンスホテルの火災というのが、当時の事件を知る人にはちょっと衝撃的かも。
学業や仕事が長続きせずうつ状態に陥りますが、信頼出来る精神科医と出会えなかったことで逆に「医者になる」という出口を見つけるあたりただものではない

一回り以上年の違う同級生たちと医学を学ぶのも相当な勇気と信念と何より学力が無ければできないことですね

晴れて研修医となって大学病院に勤務した「僕」はそこで現実の医師の姿を知ることになります。もちろん大学病院という特殊な世界の事情なので、全ての医者がそうだということではないのですが、「僕」の思う医師のあるべき姿とはかなり落差があったのでした。
研修医の日常を書いた小説は他にもあるし、その過酷なまでの労働環境についても様々に書かれているので、今さら驚くことでもないのですが、最初から医師を目指したわけでない筆者の視点は、私たち一般人が業界を覗き見るのとそれほど変わらないようです。
大学病院で働く医師にとって大事なことは、患者に寄り添う医療を施すことよりも研究や教授の意向という現実に疑問を感じ、自分なりの医療を模索する姿は好感が持てます。
けれども、小説の主人公としては、あまり魅力的とは言えないかな

群れない一匹狼タイプといえばカッコイイけど、協調性のなさや頑固さに未熟さが透けて見えるんだよねぇ



元々ドラマが気に入って原作を読もうと思ったのですが、申し訳ないけど比較するとドラマの脚本の方が優れているように思いました

このシリーズは他に数作出ていますが、以後は主人公の名前こそ変わっているけれど、内容的には似たようなエピソードで、何だか同じ物語を何度も書き直して出しているようでちょっと残念
