深山 亮 (著) 双葉社(発行)
平凡な教師の竹原は、ある日、警察から父の孤独死を知らされる。いつか我が家に帰ってくると思っていた父。だが、見つかった遺言書は“全遺産を小井戸広美に遺贈する”という、見ず知らずの人物に宛てられた信じがたいものだった。家族を捨てた事への憤りとやりきれなさを胸に広美を追い始めた途端、尾行、盗撮、放火と、立て続けに事件に巻き込まれ―。竹原は遺言書を握りしめ、父が残した「謎」を追う。
主人公の竹原の目線で進む物語は、自分勝手な言動やあからさま過ぎる本音が多くて何だか読んでいていらついてしまいました。主人公が熱烈な西武ライオンズファンの設定故、野球ネタも随所にありますが、ファンでもない身には「それがどうした」だし
中学教師を聖職者扱いするほどおめでたくはないつもりですが、それにしてもこの主人公は生徒との関係に限らず私生活においても事なかれ主義でトラブルから逃げ腰です。それでいてスケベ心だけは人並みで、デート商法にもあっさりと引っかかってしまう情けない男です。
「おいおい、どう考えてもそれって騙されてるじゃん」と突っ込みを入れるのもバカバカしくなるほどの展開を我慢して読んでいくと・・あれ??ちょっと雰囲気変わってきたような。
そう、小井戸広美の正体がわかった頃から、竹原という男の軸足が変わってくるんですね。引きこもりの生徒大洋とはねっ返りの女生徒・美羽花に対してもちゃんと正面から受け止めるようになります。それと同時にどんどん物語が面白くなってきて、スリルあるエピソードも用意されていて、読み終わった時には「竹原、案外良い奴じゃん」と
いや~途中で投げ出さなくて良かったわ
やっぱり人間諦めちゃダメだねぇ
登場人物もなかなか個性的ですが、中でも竹原に助言するいい加減な?司法書士・江尻のキャラが秀逸。そういえば作者も司法書士だとか。
平凡な教師の竹原は、ある日、警察から父の孤独死を知らされる。いつか我が家に帰ってくると思っていた父。だが、見つかった遺言書は“全遺産を小井戸広美に遺贈する”という、見ず知らずの人物に宛てられた信じがたいものだった。家族を捨てた事への憤りとやりきれなさを胸に広美を追い始めた途端、尾行、盗撮、放火と、立て続けに事件に巻き込まれ―。竹原は遺言書を握りしめ、父が残した「謎」を追う。
主人公の竹原の目線で進む物語は、自分勝手な言動やあからさま過ぎる本音が多くて何だか読んでいていらついてしまいました。主人公が熱烈な西武ライオンズファンの設定故、野球ネタも随所にありますが、ファンでもない身には「それがどうした」だし

中学教師を聖職者扱いするほどおめでたくはないつもりですが、それにしてもこの主人公は生徒との関係に限らず私生活においても事なかれ主義でトラブルから逃げ腰です。それでいてスケベ心だけは人並みで、デート商法にもあっさりと引っかかってしまう情けない男です。
「おいおい、どう考えてもそれって騙されてるじゃん」と突っ込みを入れるのもバカバカしくなるほどの展開を我慢して読んでいくと・・あれ??ちょっと雰囲気変わってきたような。
そう、小井戸広美の正体がわかった頃から、竹原という男の軸足が変わってくるんですね。引きこもりの生徒大洋とはねっ返りの女生徒・美羽花に対してもちゃんと正面から受け止めるようになります。それと同時にどんどん物語が面白くなってきて、スリルあるエピソードも用意されていて、読み終わった時には「竹原、案外良い奴じゃん」と


やっぱり人間諦めちゃダメだねぇ

登場人物もなかなか個性的ですが、中でも竹原に助言するいい加減な?司法書士・江尻のキャラが秀逸。そういえば作者も司法書士だとか。