日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
人生を大いに楽しむために言いたい放題、書きたい放題!!
読者のコメント歓迎いたします。

寒紅をさして女の意地通す

2014年05月08日 12時55分23秒 | 日記
 表題の一句は、平成17年1月現代俳句協会インターネット俳句会に入選した私の作品である。このときは6ポイントを獲得して高得点句に選ばれた。これはネット検索していただければ何方でも簡単に確認できる事実である。

 平成17年1月の句会ということは、平成16年12月21日から17年1月20日の間に投句され、21日から31日の間に選句されて2月1日に結果が発表されたものである。この間の処理はインターネット上のシステムで自動的に行われるので他人の目に触れることはない。

 この句の季語は「寒紅」で冬である。女の意地というのは1960年代に「アカシアの雨がやむとき」など数々のヒット曲を飛ばした歌手・西田佐知子さんの「女の意地」から拝借した。この曲は1970年NHK紅白歌合戦でも歌われた曲で、西田さんはこれを最後に紅白歌合戦へ出場していない。

 さて、今回は古い俳句を引きずり出して自慢話をしようというのではない。ネットで検索すると実はこんな事実とも遭遇してしまう。

「国民文化祭とくしま07」=俳句入選者わかる

 第二十二回国民文化祭とくしま2007」文芸祭俳句大会(徳島県東みよし町開催)俳句部門のブラジル関係入選作品がわかった。応募者総数延べ二千四百二十人(ブラジル関係百四十二人)、応募句数八千六百五十八句(同八百八句)であった。

◇入選
クリスマスイブに煮しめを抱いて行く  山口 ふみ
幻の邪馬台国や月朧          前田 昌弘
山姥と言われもするが草を引く     前田 昌弘
二の腕の蚊は刺しやすき逃げやすき   真藤 浩子
大いなる太陽のもと薬掘る       伊津野 静
移住地に残る竹林蛍飛ぶ        畠山てるえ
日本語とポ語のじゃんけん小春かな   佐藤けい子
ブラジルに小さき菫咲きにけり     鈴木 文子
左より右手いと老い木の葉髪      小斎 棹子
金賞のとなりの菊を誰も見ず      広田 ユキ
開拓の小屋は壊せず苔の花       里  晋平
五十年住んでも異国桃の花       井上 人栄
寒紅をさして女の意地通す       井上 人栄
アンデスを越ゆる機窓に鷹澄める    坂本美代子
越えて来し移民の山河月まどか     坂本美代子
出稼ぎの子へ陰膳や星まつり      湯田南山子
初時雨牛千頭の背を渡る        秋枝つね子
移住祭百年気骨失はず         小西 成子
墓碑の名は幼子ばかり冬日果つ     浜田 一穴
暁紅のアマゾン川の布袋草       青木 駿浪
太箸や洗礼名の吾子四人        西山ひろ子

と、いうニッケイ新聞 2007年12月21日付けの記事である。

 ニッケイ新聞は、ブラジル国サンパウロ州サンパウロ市で発行されている、移住者や日系人・駐在員向けの日本語新聞である。
井上人栄さんという方はブラジル在住の俳人で、日本国内の俳句大会などへも積極的に参加されているご様子である。

 記事の日付は2007年12月つまり平成19年12月であるから全くの同一句であるが,私の方が2年以上先行している。こういう事態の場合は早い者勝ちというのが俳句界の決まりごとのようである。

 地球の裏表で同じことを俳句に書いたという偶然があっても何の不思議でもないだろう。