岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の約七万本の松のうちでたった一本だけ東日本大震災の大津波に耐えた、所謂「奇跡の一本松」は、震災直後から復興のシンボルとして、市民のみならず、全世界の人々から親しまれてきた。
しかし、この一本松は、大地震による地盤沈下で海水がしみ込み塩分過多の状態となり、徐々に衰弱が進んで枯死してしまった。
そこで、地元の陸前高田市では今後も復興のシンボルとしてこの一本松に人工的な処理を加え、モニュメントとして保存することとなった。
2012年9月、立ち枯れていたため、モニュメントとして保存するためにいったん切り倒される。
2013年2月12日、基礎となる幹の一部を元の場所に立て直す工事が始まる。
2013年3月6日に「奇跡の一本松」は元の場所に復元された。ところが8日になって、市と業者が切断前の写真と比較したところ、枝葉が大きく傾いていて、幹に差し込む接続部分が曲がったまま固定されていたことが判明した。
このため市は枝葉を取り外し、作業をやり直すことにしたが、新しく枝葉を作って付け替えなければならず、完成までには時間がかかる見通しで、市は今月22日に予定していた一本松の完成記念式典を延期した。
奇跡の一本松を人工的に復活させる為に莫大な費用をつぎ込む事と、復興の為に除染や住宅を建設する事では、どちらが被災地の方の為になるのか。「奇跡の一本松」の復元は美談か茶番か。地元ばかりかネットの世界でも今このことが話題になっている。
陸前高田市では1億5000万円もの復元費用について、税金は使わず、募金で賄いたいとしている。それは、被災地の課題が山積しており、保存に多額の予算は投じられないとの判断からという。
市は、2012年7月5日に「奇跡の一本松保存募金」のサイトを立ち上げ、フェイスブックからも募金の受け付けを始めた。
ネット上では、被災者が未だに避難生活を続けている中で、一本松の保存に多額のお金を投じることに疑問の声が多い。
「さすがに高すぎだろ…」「もっと他に金をかけるとこがあるのでは?」といったものや、石碑やレリーフなどで代用できるのではないかという意見も多かった。
また、一本松の接ぎ木で苗が育てられていることから、こうした試みで十分ではとの声もあった。もっとも、「観光のシンボルにして町興ししようとしてるんだろう」などと理解する向きはある。
美談か茶番か?批判を覚悟で敢えて私見を述べさせていただくとすれば私は大いなる茶番であろうと思う。
復興のシンボル・・・観光のシンボルとして多額の金をかけたとしても、まず地元の旅館やホテルなどの観光産業が復興しないことには観光資源としての投資効果も生まれてこないだろう。金を使う優先順位が間違っているのではないだろうか。
ちまちまと一本松のレプリカなんかを建てるよりも、先ずは沈下した地盤の嵩上げを行い、接木の苗を育て、他所からの苗木を集めてでも「高田松原」7万本の松林を復旧することを考えるべきではなかったのか。
しかし、この一本松は、大地震による地盤沈下で海水がしみ込み塩分過多の状態となり、徐々に衰弱が進んで枯死してしまった。
そこで、地元の陸前高田市では今後も復興のシンボルとしてこの一本松に人工的な処理を加え、モニュメントとして保存することとなった。
2012年9月、立ち枯れていたため、モニュメントとして保存するためにいったん切り倒される。
2013年2月12日、基礎となる幹の一部を元の場所に立て直す工事が始まる。
2013年3月6日に「奇跡の一本松」は元の場所に復元された。ところが8日になって、市と業者が切断前の写真と比較したところ、枝葉が大きく傾いていて、幹に差し込む接続部分が曲がったまま固定されていたことが判明した。
このため市は枝葉を取り外し、作業をやり直すことにしたが、新しく枝葉を作って付け替えなければならず、完成までには時間がかかる見通しで、市は今月22日に予定していた一本松の完成記念式典を延期した。
奇跡の一本松を人工的に復活させる為に莫大な費用をつぎ込む事と、復興の為に除染や住宅を建設する事では、どちらが被災地の方の為になるのか。「奇跡の一本松」の復元は美談か茶番か。地元ばかりかネットの世界でも今このことが話題になっている。
陸前高田市では1億5000万円もの復元費用について、税金は使わず、募金で賄いたいとしている。それは、被災地の課題が山積しており、保存に多額の予算は投じられないとの判断からという。
市は、2012年7月5日に「奇跡の一本松保存募金」のサイトを立ち上げ、フェイスブックからも募金の受け付けを始めた。
ネット上では、被災者が未だに避難生活を続けている中で、一本松の保存に多額のお金を投じることに疑問の声が多い。
「さすがに高すぎだろ…」「もっと他に金をかけるとこがあるのでは?」といったものや、石碑やレリーフなどで代用できるのではないかという意見も多かった。
また、一本松の接ぎ木で苗が育てられていることから、こうした試みで十分ではとの声もあった。もっとも、「観光のシンボルにして町興ししようとしてるんだろう」などと理解する向きはある。
美談か茶番か?批判を覚悟で敢えて私見を述べさせていただくとすれば私は大いなる茶番であろうと思う。
復興のシンボル・・・観光のシンボルとして多額の金をかけたとしても、まず地元の旅館やホテルなどの観光産業が復興しないことには観光資源としての投資効果も生まれてこないだろう。金を使う優先順位が間違っているのではないだろうか。
ちまちまと一本松のレプリカなんかを建てるよりも、先ずは沈下した地盤の嵩上げを行い、接木の苗を育て、他所からの苗木を集めてでも「高田松原」7万本の松林を復旧することを考えるべきではなかったのか。