日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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長月の俳句色紙を書きました

2018年08月25日 17時01分37秒 | 日記

◆糟糠の妻に請はれて胡麻を擂る
(よみ)そうこうのつまにこはれてごまをする
貧乏暮しを共に耐えてきた妻に頼まれて胡麻を擂っている。ホウレン草やセリやインゲン豆の胡麻和えは好物である。季語は「胡麻」で秋。

◆鯤と云ふ大魚を見たり鱗雲
(よみ)コンといふたいぎょをみたりうろこぐも
北冥に魚あり、其の名を鯤(コン)と為す。鯤の大いさ其の幾千里なるかを知らず。化して鳥と為るや、其の名を鵬(ホウ)と為す。これは 『荘子』逍遥遊篇にある一節です。秋空一面に広がる鱗雲は大魚の鯤(コン)を想わせる。季語は「鱗雲」で秋。

◆旅果ての夜は青すだち滴らす
(よみ)たびはてのよはあおすだちしたたらす
旅の最後の夜は美味い酒肴を楽しんだ。酢橘(すだち)は昔から、阿波徳島の名産である。物の本には「果汁は多く酸味が強いが、多種類の酸性アミノ酸を含むために特有の風味と芳香があり、酢として珍重される。季節感のある果物の一つとして風味を尊び、緑果のうちに利用され、焼きマツタケやシイタケなどにはふさわしく、焼き魚、煮物、刺身、吸い物、湯豆腐など和食にあう。と、ある。季語は「酢橘」で秋。

◆片口に酒を剰さず牧水忌
(よみ)かたくちにさけをあまさずぼくすいき
歌人・若山牧水は晩年を沼津で過ごした。牧水の酒好きはその歌でもよくわかる。生涯で9000余りの歌を残したが、1928年9月17日、44歳の若さで世を去った。酒好きの自由律俳人・種田山頭火は牧水をライバルとして意識していたようだ。季語は「牧水忌」で秋。

◆陶枕の猫が惰眠を唆す
(よみ)とうちんのねこがだみんをそそのかす
陶枕(とうちん)は陶磁器製の枕のこと。眠り猫などをデザインしたものが多い。惰眠はなまけて眠ること。転じて、何もしないで怠けていること。活気のまるでないことをいう。季語は「陶枕」で夏。