卵茸無毒と識るも口にせず 白兎
たまごだけむどくとしるもくちにせず
茸(きのこ)は晩秋の季語。
卵茸は、ハラタケ目テングタケ科テングタケ属のテングタケ亜属タマゴタケ節に分類されるキノコの一種。夏から秋にかけて、広葉樹(ブナ科・カバノキ科)および針葉樹(マツ科)の林内、あるいはこれらの混交林に孤生ないし点々と群生する。鮮美な色調を有することから、日本では有毒キノコのように誤解されがちだが、実は無毒であり優秀な食用キノコとして人気がある。キノコ自体壊れやすいため、一般にはほとんど流通していない。茹でると煮汁に黄色い色素が出るため、色を楽しむには茹でずに焼いた方がいい。味は強いうま味があり、フライや炊き込みご飯、オムレツなどによく合う。殻を破る前の幼菌は生食されることもある。現在、信州大学で栽培に向けた研究が進められている。写真はFBフレンド満森傑さん撮影。