鶴嘴に石跳ね返る冬はじめ
(読み)つるはしにいしはねかえるふゆはじめ
鶴嘴は旧陸軍や自衛隊では十字鍬と云い代表的な土工具です。固い土を掘り返すために使いますので小石が飛ぶこともあります。季語は「冬はじめ」で初冬。
棕櫚を剥ぐ梯子に祖父の墨書あり
(読み)シュロをはぐはしごにそふのぼくしょあり
棕櫚の皮の繊維は耐久性があって棕櫚縄や棕櫚箒に使います。祖父が梯子を新調したときの年が書いてあったという小さな発見。季語は「棕櫚を剥ぐ」で初冬。
日雇の見目好き寡婦も頬かむり
(読み)ひやといのみめよきかふもほおかむり
工事現場にもうっとりするような美人が働きにきます。寡婦は後家さんです。
季語は「頬かむり」で冬。
冬涛の砕けて岬また尖る
(読み)ふゆなみのくだけてみさきまたとがる
岬の突端に大波が押し寄せて砕けると更に尖ったように感じた。
季語は「冬涛」で冬。
訥々と雪の嵩云ふ羽後訛り
(読み)とつとつとゆきのかさいふうごなまり
秋田県から出稼ぎにきた人から積雪のことなどを詳しく訊いた。北国の人は概して寡黙な人が多い。
季語は「雪」で冬。
(読み)つるはしにいしはねかえるふゆはじめ
鶴嘴は旧陸軍や自衛隊では十字鍬と云い代表的な土工具です。固い土を掘り返すために使いますので小石が飛ぶこともあります。季語は「冬はじめ」で初冬。
棕櫚を剥ぐ梯子に祖父の墨書あり
(読み)シュロをはぐはしごにそふのぼくしょあり
棕櫚の皮の繊維は耐久性があって棕櫚縄や棕櫚箒に使います。祖父が梯子を新調したときの年が書いてあったという小さな発見。季語は「棕櫚を剥ぐ」で初冬。
日雇の見目好き寡婦も頬かむり
(読み)ひやといのみめよきかふもほおかむり
工事現場にもうっとりするような美人が働きにきます。寡婦は後家さんです。
季語は「頬かむり」で冬。
冬涛の砕けて岬また尖る
(読み)ふゆなみのくだけてみさきまたとがる
岬の突端に大波が押し寄せて砕けると更に尖ったように感じた。
季語は「冬涛」で冬。
訥々と雪の嵩云ふ羽後訛り
(読み)とつとつとゆきのかさいふうごなまり
秋田県から出稼ぎにきた人から積雪のことなどを詳しく訊いた。北国の人は概して寡黙な人が多い。
季語は「雪」で冬。