日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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リハビリの壁に貼り出す俳句です

2018年11月11日 17時16分57秒 | 日記
小生の俳句作品を通所している松冨リハビリセンターの壁に発表しています。

【12月の俳句】

◆日雇の過去を焚火が炙り出す
(よみ)ひやとひのかこをたきびがあぶりだす
工事現場で働く日雇労務者には種々雑多な経歴の持ち主がいます。教え子と駆落ちしてきた元教師、隣の奥さんと駆落ちしてきた男、刑務所から出てきた男、男に貢いでいる小母さんなどなど。焚火を囲んだ歓談の中から次第に過去の経歴が露わになるのです。
季語は「焚火」で冬。

◆沖へ去る船慕ふなり冬鴎
(よみ)おきへさるふねしたふなりふゆかもめ
鴎はチドリ科の渡り鳥で日本へは越冬のために飛来する。幼鳥の斑紋が籠の目のようにみえることからカゴメというそうである。食性は雑食で魚類や動物の死骸など何でも食べる。沿岸部や河口、干潟に生息するが漁港などへもよく飛来する。今は禁止だが知床のウトロ漁港で船を追ってきた鴎に餌を手渡しで与えたことがある。
季語は「冬鴎」で冬。

◆老麺を啜る猫背の息白し
(よみ)ラーメンをすするねこぜのいきしろし
昔、焼津漁港の岩壁にラーメンの屋台があって寒い冬の夜更けに良く食べに行ったものである。寒いときはどうしても背中を丸める。
季語は「息白し」で冬。

◆極月の街に債鬼と擦れ違ふ
(よみ)ごくげつのまちにさいきとすれちがふ
極月は12月。債鬼は借金を激しく取り立てる人を鬼に喩えていう。私は無産階級の労働者だから大した借金はできないが居酒屋のツケなど大晦日までに清算しなければならないなにがしかの負債はある。
季語は「極月」で冬。

◆降りしきる雨にかこつけ生姜酒
(よみ)ふりしきるあめにかこつけしょうがざけ
酒は好きだが不治の病の糖尿病だから呑むことができない。しかし坊主の般若湯ではないが身体を温める生姜酒は風邪の引き初めには効力がある。
季語は「生姜酒」で冬。
コメント
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