観音を祀る御寺に桔梗咲く 白兎
くわんおんをまつるみてらにききやうさく
桔梗(ききやう)は初秋の季語。子季語に、きちこう、おかととき、ありのひふきぐさ、一重草。
きりっとした輪郭、折り目ただしい花の姿には凛とした風情がある。紫を主とするが、白桔梗にも捨てがたい魅力があろう。秋の七草のひとつ。
「万葉集」で、山上憶良が詠んだ歌(巻八 1538)「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花」のうちの「朝貌の花」は本種を指す。
花の形から「桔梗紋」が生まれた。美濃の山県氏、土岐氏一族は桔梗紋を紋所にしていた事で知られている。明智光秀も土岐氏一族であり、桔梗紋を用いていた。
安倍晴明が使用した五芒星を桔梗印と呼び、現在の晴明神社では神紋とされている。
静岡県の西部遠州森町は、遠州の小京都と呼ばれている。
ききょう寺(曹洞宗鹿苑山香勝寺)は太田川右岸の里山の開ける小高い丘の上に建立されおり、天分十四年(一五四五年)崇信寺八世仙応全忠大和尚によって開山され、「聖観世音菩薩」を祀っている。遠州三十三観音霊場の32番札所であり、「日本三大ききょう寺」の1つとして有名。画像出典:森町観光協会。
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