京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

生きとし生ける物すべて意味あり。

2024年06月03日 | ミニ里山記録

 

 

<生きとし生ける物すべて意味あり>

 チャールズ・エルトン(Charles Sutherland Elton :1900-1991)は、イギリスの動物学者で動物の個体群生態学を確立させた。長い間、オックスフォード大学の動物個体群研究所所長を勤め、自然史博物学を生態学に高めた人物とされているが、現在の個別解析的な生態学者には、どちらかと言うと忘れられた存在である。

 そのエルトン氏には、大学敷地の広大なワイタムの森の自然を記述した「The pattern of Animal Comunities(1966)」(日本語の訳本は「動物群集の様式」思索社:1990)がある。日本語訳本で約650頁もあり、ワイタム丘陵の生物の子細な記述が延々と続く。一部の野外研究家にとっては、たまらない自然叙事詩だが、大抵の読者には、とんでもない退屈な読み物である。「生態調査の究極の目的は、ある地域に棲むすべての種についてある一定の期間にわたってその個体群とその動的関係を確かめかつ測定することである」(訳本p36)といった自己の主張を、具体的に示したイコン的著作といえる。

 

 ともかく点や線でしか考えなかった関係が面で考えるようになった。そうなると関係も極めて複雑になり「飛び越えた関係性」が問題になる。いわば”風が吹けば桶屋がもうかる”といった構造を考えなければないなくなる。地球の エコシステムはバランスを保ちながら動的に成立しているように見える。存在する物がすべて関係して、このバランスがなりたっていると仮定すると、人類の災禍であったペスト菌やインフルエンザ、コロナウイルスも地球にとってなんらかの意義が存在するのではないかと考えたくなる。彼らは人類にとって、とんでもない”悪玉”(悪い関係)ではあるが、異常に繁殖しすぎた人類の人口調整に地球(ガイア)が遣わした”善玉”(他の種にとって良い関係)ではないのか?コロナウイルスはヒトに感染発病させるのに他の動物は感染しても発病しない事実はこのことを暗示している。


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