2009年12月18日(金曜日)
う~ん・・・敦賀市環境審議会の風力発電に関する答申が
かたまったようですが、傍聴者にはその案文は配布されず、
環境審議会委員に事前配布されていた答申案も
最後に回収されてしまいました・・・
国の中央環境審議会専門委員会の中間報告を受けて、
「アセス法」の対象事業に風力発電事業が追加されるまでは、
敦賀市環境審議会も答申は引き延ばすものと思っていたのに、
期待は見事裏切られ、年明け早々には、
市長あてに、答申が提言されることになりました。
せめて、答申の中に、「アセス法」に風力発電事業が追加されるまでは
敦賀市長は事業者に対し、回答すべきではないとか何とか
盛り込んでほしかったな~
委員のなかには、「アセス法」に追加されてから再度
審議したほうがいいという方もいたのに、なかば強引に
委員長の早く答申を出すべきという意見に押し通されてしまった雰囲気です。
委員長は「わたくし的には・・・」を連発して意見をいうけれど
その「わたくし的」意見がそのまま、審議会のご意見となってしまった。
ある委員の方は、地元同意(地区)に対し、ご自分で聞きとり調査をしたところ
地元区でも風力発電が建設されることすら知らない区民もおおぜいいたという。
ある区では、区長と役員だけで話を進めていたり、
区長から強引にウン・・・といわされていたり・・・
区長と役員は、CEF社の接待で温泉付き(?)南あわじウインドファームの
視察旅行を受けていたらしい・・・
同意してくれたら、南あわじに連れて行くとCEF社からいわれ
ホイホイと同意したという話まで、あるらしい。
委員長と副委員長で最終答申をまとめ、提言するという流れだけど
なぜ、最終答申案を委員のみなさんは、確認しないんだろう?
普通、全員に送付し、再度訂正する箇所がないか
自分のいった意見がちゃんと反映されているかなど
チェックするはずなのに、おまかせするようだ。
さて、全国各地での風力発電による被害状況など
各地の新聞記事・日経エコロジーなどからアップしておきます。
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風力発電の健康被害、環境省調査へ 国内の全1500基
http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200912160406.html
各地の風力発電所の周辺で体調不良を訴える住民の苦情が相次いでいることから、
環境省は来年度から4年計画で、1500基を超える稼働中の全施設を対象に、
健康被害に関する初の現地調査に乗り出す。
計画では、風車の回転時に出る「低周波音」と呼ばれる音波の測定や
住民らの対面調査を進め、因果関係の解明を目指す。
風力発電は温室効果ガスの削減に欠かせない「再生エネルギー」として期待され、
国が導入を推進。
1990年代後半から各地で建設されてきた。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、今年3月時点で、
40都道府県376カ所に設置され、計1517基が稼働中。
環境省には周辺住民らから騒音や体調不良、環境破壊といった
苦情が寄せられているものの、因果関係は分からず、
全国的な実態の把握にも至っていない。
このため、同省は来年4月から風車の周辺で苦情の有無を確認し、
とくに体調不良を訴える住民がいる場合は症状を把握する。
測定機を住宅内に設置するなどして、風車と住宅との距離や
周辺地形なども踏まえ、風車と健康被害との因果関係について調べる。
風力発電所は、環境影響評価(アセスメント)法の対象から外れている。
同省の中央環境審議会の専門委は11月、アセス対象事業に
風力発電所を追加する中間報告をまとめた。
今回の調査結果は、アセスメントで低周波音についての「規制値」を
導入する場合の指標にもしたい考えだ。
同省大気生活環境室は「再生エネルギーとして風力発電の導入を
促進しているわが国では、低周波音が人体に与える影響の解明は
喫緊に対応すべき問題と考えている」としている。
風力発電は中小の事業者も含めると100社を超えるとされる。
朝日新聞の取材に対し、複数の事業者は
「低周波音について、科学的な解明がされれば、それに従いたい」と話した。
(伊藤綾、武田剛)
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風力発電施設をアセス対象に・・・国が法改正検討
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20091216-OYT8T00002.htm
国天然記念物の大型猛きん類のオオワシが風力発電施設に衝突死した問題で、
環境省は、風力発電施設を国の環境影響評価法の対象に加える方向で検討に入った。
この問題は、北海道せたな町で11月、体が切断されたオオワシが
発見されたもので、風力発電施設の羽根に衝突したバードストライクで
あることが環境省の調査でわかっている。
国内ではこれまでに、風力発電施設のバードストライクが
約40件確認されている。
このうち約20件が道内での国天然記念物オジロワシの事故だった。
とりわけ今回は、ロシア極東で生まれて道内で越冬する
日露渡り鳥条約指定の国際保護鳥・オオワシが
被害にあったことから、環境省は何らかの対策が必要と判断した。
中央環境審議会の環境影響評価制度専門委員会は先月、
「風力発電施設を環境影響評価の対象にすることを検討すべきだ」
と提言している。
同省はこうした状況も踏まえ、
「風力発電施設を法の対象にする方向で検討している」(環境影響評価課)という。
同専門委員会委員の吉田正人江戸川大教授は
「電力業界からは『アセスには経費がかかる』などの異論があるが、
多くの野鳥が被害を受けており、早急に法の対象にすべきだ」と話している。
(2009年12月16日 読売新聞)
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西日本新聞の記事です。
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/7041/
風力発電と低周波音
低周波音は周波数が100ヘルツ以下の小さい音で、
20ヘルツ以下は聞き取ることができない超低周波音と呼ばれる。
発電用の風車のほか、航空機やボイラー、鉄道のトンネルなどから発生。
音を感じないのに戸や窓が揺れたり、置物が移動したりするほか、
頭痛、耳鳴り、吐き気などを引き起こす可能性があるとされる。
環境省の「低周波音防止対策事例集」は、風車について
「正常運転中でも超低周波音を発生することがある」として、
「複数台が稼働し、互いに影響し合って増幅されたり、
民家の屋内で増幅されたりした場合には、回転数制御などの対応が考えられる」
と指摘している。
しかし、個人差も大きいため、現時点では具体的な規制はない。
サタデー特報=風力発電 思わぬ逆風
「騒音、低周波音…健康に不安」 佐世保市宇久島や水俣市
住民が反対運動 規制なく交渉難航
(2009年12月5日掲載)
国や電力会社が温室効果ガス削減に向けて推進する風力発電所が思わぬ
“逆風”にさらされている。
全国各地で建設が進んでいるが、一部地域で健康被害などを心配する住民が
反対運動を展開。
九州でも長崎県佐世保市と熊本県水俣市で強い反対運動が起きている。
住民側は風車が出す風切り音のほか、耳では聞こえない低周波音による
不眠など身体への影響、環境破壊を理由にしているが、
いずれも明確な規制がないため、交渉は難航している。(報道センター・曽山茂志)
■「建設拒絶の家」
長崎県五島列島の北端、宇久島(佐世保市宇久町)。
人口3千人足らずの島で、多くの民家の玄関に小さなステッカーが張られている。
「風車建設拒絶の家」。
今年4月に公表された国内最大の風車50基(出力10万キロワット)の
風力発電所計画に反対している証しだ。
「こんな小さな島に50基も建てば風車だらけになって、安心して暮らせない」。
島の観光協会長で反対運動を主導する平山忠一郎さん(62)は語気を強める。
平山さんたちは6月に島の有権者の7割に当たる約1800人分の
反対署名を集め、市と県に提出した。
国も推進する環境に優しい風力発電とはいえ、地元の強い反対運動に、
長崎県佐世保市の朝長則男市長も9月市議会で
「地元との合意が図られない限り、現段階では本計画の実施は
なかなか厳しいと認識している」と、実現が困難との見通しを示した。
■「風向き」が一変
計画は当初、比較的順調に進んでいた。
グリーンパワー(東京)は同県内だけで約50カ所を調査し、
年間平均で毎秒6メートル以上の風が理想とされる風力発電で、
毎秒7メートル以上あった宇久島に候補地を決定。
2008年春に初めての地元説明会を開催し、同年夏には
風車建設予定地の区長や地主から調査のための土地利用承諾も取り付けた。
しかし、計画発表後、静岡県や愛知県などの風車近くの住民から
音や震動で耳鳴りや頭痛、眠れないという苦情が出ていると伝えられ、状況が一変。
健康被害の原因の一つが風車が発生する低周波音と指摘され、
島唯一の診療所の医師が自身の体験を基に
「低周波音は不眠の原因になる」と主張したこともあり、反対運動が拡大。
区長などの土地利用承諾も破棄された。
グリーンパワーの秋吉清一郎社長は「低周波音の感じ方には個人差もあり、
健康被害との因果関係も解明されていない。
地道に理解活動を続ける」と長期戦も覚悟の構え。
だが、区長の1人である畜産業の大石勝峰さん(57)は
「健康被害の可能性があるなら、最初からない方がいい」とかたくなだ。
■ルールづくりを
熊本県水俣市では、九州電力グループの西日本プラント工業(福岡市)が
風車7基(出力計1万4千キロワット)の建設を計画。
建設予定地でこれまで3回説明会を開いたが、
住民側は宇久島とほぼ同様の理由で「もっと詳しい資料を開示すべきだ」と反発。
年内に終了させる予定だった環境影響調査がずれ込んでいる。
このほか、07年2月に稼働した長崎県平戸市の
的山(あづち)大島風力発電所(16基)では、近くの住民が騒音被害を訴え、
事業者が住民の自宅サッシを二重にする対策を取った。
広がりつつある風力発電所に対する苦情に対し、
国は本年度から初の実態調査を開始。
新たに建設前の環境影響評価法の適用も検討している。
しかし「苦情が出ているのは一部。
一律に規制するのは受け入れられない可能性がある」(大気生活環境室)と、
規制づくりには慎重な姿勢だ。
風力発電に詳しい九州大応用力学研究所の大屋裕二教授(風工学)は
「国土の狭い日本で風力発電が増えれば摩擦が起きるのは必然。
しかし、風力発電は太陽光発電に比べて産業のすそ野も広い。
国は風車の騒音対策などの技術改善をはじめ、
建設を推進するためのルールづくりなどの支援を急ぐべきだ」と指摘している。
●九州に全国の15.5%236基 最多は鹿児島の97基
風力発電は太陽光発電と並んで二酸化炭素(CO2)を排出しない
電源として国や電力会社が推進。
九州電力(福岡市)も2017年度までに、九州の設備量を自前と
民間事業者分を含めて現在の3倍以上に当たる
100万キロワットに増やす目標を掲げている。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のまとめでは、
2009年3月末現在で全国にある風力発電設備は
1517基(出力合計約185万キロワット)。
このうち、九州7県には15・5%に当たる
236基(同約30万キロワット)がある。
最多は鹿児島県の97基で、次いで長崎県の60基、佐賀県30基と続く。
風力発電には国の環境影響基準や建設ルールがないため、
事業者が自主的に調査し、地元と協議しながら建設している。
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こちらは東京新聞「星降る街に風車の音」
新聞記事をそのまま画像でアップしたのを送っていただきました。
http://no-windfarm.net/tokyos091216.html
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同じくこちらは、日経エコロジー
とてもいい記事です。
こちらも画像でどうぞ・・・