待たせやがってこの野郎

今年はもう来ないのかなと思っていた奴がやってきた。
もうじき盆だというのに。
盆ともなれば夕方に吹く風は寒いと思うほど秋めいて、
短い夏の終わりに心の中にも風が吹くような寂しさを感じたりするのだ。

なのに夏野郎はやってきて、
エネルギッシュにギラギラ居座った。
遅かろうと早かろうと、
春夏秋冬、折々の通り道をやり過ごすわけないだろうと、
悪びれずやってきた。

扇風機を使うと、
風が心地よく部屋を通りぬける。
無性に食べたくなったジャイアントコーンを食べながら、
やっぱり夏は良いなぁ～と、
夏野郎は私の中で株を上げるのだ。