弥生三月が去ってゆく、惜しむこともなく特に感慨もない。 言葉の響きとしては如月が好き、けれど二月は厳寒の時、季節的には嫌いだ。 三月は確実に日脚が長くなり春を実感できるけれど、浮き立つ思いが薄れる日々を過ごしていることが多い。 一昨年は東日本大震災でずっと不安な日々だったし、昨年はやむなくく引っ越すことになってしまった事態に、心もとない日々を送っていた。 今年、クラス会を一カ月経過して私としては後味の悪い思いをいまだ引きずり、そしてごく身近な人間の限られた死期を知らされた事で落ち着かない毎日だ。 それでも「サクラサク」ごとくの嬉しい便りも舞い込んだ。 甥の高校受験合格と元職場の後輩の結婚式の案内が届いた。 晴れやかに過ごすことなどない暮らしにぽちっと春が芽吹いた。