朝焼けを見るために

神様からの贈り物。一瞬の時。

封筒

2007-08-24 18:03:19 | 流水子
 宛名のない真っ白な封筒を受け取った。  朝、事務所に着くと、玄関を入る前に郵便受けの新聞を取り出す。新聞の後ろからガサッと地に落ちた封筒。拾って裏返すと、見覚えのある字で『つぼみ』と封がされていた。何の変哲もない真っ白な封筒に、宛名もなければ差出人の名もない。ただ、ほんの少し青みがかった黒いインクで『つぼみ』とだけ、ひらがなで封字されていた。女性だけが使うことができる、そのひらがなの優しげな文 . . . 本文を読む

雨上がりの朝

2007-08-24 04:54:36 | 徒然に
そんな朝がすき 眠れない夜が終り、 今日が始まる朝 雨を降らせた雲は切れ、 朝の陽が覗き始める。 あなたを心配させてしまっただろう、 送信済のメールは、 戻してもらうこともできず、 あなたの目に曝される。 『大丈夫』 短いメールは、追記にもならない。 . . . 本文を読む

遠吠え

2007-08-24 02:02:46 | Weblog
どこかの犬が鳴いている 一旦覚めてしまった目は もう一度闇に戻るのを拒否している 意識と意志とが 混濁し 部屋にかかる青いカーテンが 窓の外の遠吠えを遮った もたれかかった壁の向かいに カレンダーの錆びた黄色の絵を眺める 『心映え』 ふと寝る前に読んだ本の 短い言葉が頭をかすめる . . . 本文を読む