ざわざわと心が揺れる。
胸騒ぎとは違う、心の揺れ。
行き先を定めることができないからなのか。
照りつける太陽の元、
自分の足元だけがぬかるんでいるというのか。
このわざわざとした心の音は、
だれにも聞こえない。
静かに、音もなくざわめく。
波が打ち寄せる音とも違う、
風が、草木を揺らす音とも違う。
雑踏の中の静けさのような、
音のない音。
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自分の泣き声で目が覚める
部屋の灯りをつけ
鏡の中の自分をみる
泣きはらした瞼
重い頭
開いままの状態の携帯
メールを送ったらしい
送信先の履歴
消してしまってあるメールに
なんと書いたのだろう
大型車が通りたびに
地震のように揺れる床
その振動を確かめながら
またメールをうつ
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