
今回は午前クラスの石垣さんの油彩をご紹介します!こちらの作品完全に季節を先取りしています。
私としましてもちょうどタイミング良く秋ぐらいに完成するのだろうと考えていましたが石垣さんがまさかこんなに一枚の作品を早く描き切るとは思ってませんでした!石垣さんの描き方は実に無駄が無いと感じましたね。
私が昨年から講師をやらせて頂いた時と比べても石垣さんの描く力はメキメキと成長しています。特にこの作品は以前からの作品に比べて全体を客観的に見て描けているのが見て取れます。又それと同時に先々を読んで仕事を重ねていっています。
石垣さんは、ご自分で取材された風景写真から絵を作っていくことが多いですがやはり風景を描く上で大切なポイントとなるのは特に前景から後景までの空間性を作る意識です。その場の状況によっても違いますが木々が茂っている森や海、街などを俯瞰して描く場合、部屋の中とは全く違いそこには広大な空間が広がっています。という事はもっと言えばそれは木々などの「もの」を描くのでは無く「空間」を描く事なのです。
"木を見て森を見ず"という言葉がありますが絵を描いてるとついつい知らぬ間に自分の意識がこの言葉のようになっているのに気付くでしょう。そうなんです。皆さん「もの」を描いてしまうんです。絵を描いている時も木では無く森を描くんだという意識に転換して欲しいのです。そして更にそこに留まらず「空間」を描くんだというところまで行くと絵が序々にではありますがガラッと変わって来ます。
そういう意味でもこの石垣さんの作品"森"を描くことに成功しいています。写真の中、写真と自分の絵、自分の絵の中それらを徹底して比較しています。もしかしたら描いている途中も自分があたかもこの森の中に佇んでいるかの如き状況を想像できていたのでは無いでしょうか。素晴らしい。
石垣さん、次は更にステップアップして美しい「色」の響き合いという事にも目を向けて描いていけたらより素晴らしい絵になって行くと思います。 岩田