モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

3月21日は突然の雪の日でした。

2018-03-21 23:24:47 | 大人 油絵・アクリル

増村  油彩  

水曜日担当の滝口です。
 今日は祝日でしたので授業も休みでしたが、まさかの雪!?この時期に真冬並みの寒さとは、何か気持ちまで逆戻りしてきてしまいそうです。でも桜も咲いてきたりしてるので、晴れたらまた春気分ですね。

 そんな天気の気持ちで、今日紹介する水曜日社会人の夜コースに通われる増村さんの作品を見ると、ちょうどピッタリ!!な気分になる感じですね。全体に白い建物やテーブル、カフェのカーソルも白で雪な気分。そして下の方には鮮やかな花が咲き、椅子は赤と、とっても春な気持ちになります。道路は建物が少し反射していて、雨上がりいや雪が止んだんでしょう。と、今回は一気に作品の紹介をしてしまいましたが、文章の構成を逆にしてみようと思います。 
 増村さんは、僕がアトリエミオスに来た頃はお休みなさっていて、ちょうど年末の忘年会にいらして、年明けからまたミオスの方に戻られた形でした。仕事帰りでしょうか毎回スーツにエプロン姿で描かれていて、一度油絵の具をスーツにつけてしまったりなどして、おっちょこちょいなところもあって、なんとも和やかな気分にさせてくれます。そんな穏やかな人柄か、絵もとっても穏やか・・・と言いたいところでしたが、僕はちょっと違った風に増村さんの絵を見てしまいます。

 実は、僕はこの作品を見ているととっても不安な気分になってしまいます。それは、増村さんも意識は決してしていないと思います。それは、この絵の道の先が、これから歩んでいかなくてはいけない人生のように見えるんです。見えそうで見えない先。そんな哲学的な気持ちにさせてしまうのは、増村さんが描くからこそ出てくるのかもしれません。言い過ぎてしまうと誤解がありますが、全くの意図がない絵は、逆に自由に見る人に解釈を与えていくのかもしれません。増村さんに意図が全くなかったとは思いませんが、それ以上に深読みをさせる内容に仕上がっていると思います。

 そんな僕の解釈は置いといて今回言いたかったことは、美術の鑑賞の自由さについてです。コンセプトや意図はしっかりと持った方がいいですが、それが過剰になると制作者の説明ばかりが先立ってしまって、見る人に息苦しさや強要があって興醒めしてしまうことがあります。逆に美術館などで鑑賞していると解説を求めてしまう人も多くいて、その作品を言葉で説明してくれないとわからないと思う人もいます。
【言葉が先か視覚が先か】これもまた哲学的な問いみたいになってしまってますが、う〜〜ん・・・
僕はどちらかというと、視覚を先に楽しんでいます。まず自由に視覚で作品を楽しんで、自分なりに解釈してみます。意図はなんだろう?描き方は?遠くから見るとどうかな?近くから見たらどうかな?とか色々楽しみます。タイトルなどはとりあえず後回し。その後タイトルを見たり、解説があれば読んでみます。そうするとまた違った発見があったり、もしくはがっかりしてみたり。美術鑑賞もしっかりと自分なりの楽しみ方を持って見ると、何倍も楽しくなりますよ。
今回の増村さんの油彩、ちょうどタイトルもないので、皆さんで色々と感じてみてください。

 でも、最後に一言技術的な魅力を付け加えると、増村さんの塗り方がとても僕は素敵に感じてしまいます。 増村さんの辿々しい描き方が逆に魅力的なんです。ペインティングナイフのみで描き進めたり、あまりホワイトだけで描き進めるのは勧めませんが、それもまた僕には魅力に感じていました。美術は色々な楽しみがありますね。

コメント (1)
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