梨愛 中2 岩絵具・顔彩・金泥/パネルに和紙
暑いのも辛いですが加えて雨も降ると蒸し暑いですね!ホノカです。
今回は学生クラス日本画から梨愛の作品をご紹介です。豊かな緑と桜の桃色、そしてその中に佇む黄色のカナリア。今年も春はすぐに過ぎてしまいましたが、それを思い出させてくれる暖かい雰囲気が素敵です。
彼女は以前にも油絵でいちょう並木の風景画を描いており、その時も「全面が黄色に染まって実際に訪れたら絶対に楽しそう!」そんな雰囲気が溢れ出る絵を描いていました。今回の絵もその絵を思い返す様に、花が咲き始め、鳥が鳴く春の訪れを楽しむ雰囲気のある絵になっています。彼女はいつも明るく人と話すのが好きな性格なのですが、そんな人柄まで絵から伝わってきませんか?私が同じ写真を見ながら描いても、この楽しそうな空気感は生み出せないと思います。
苦労していたポイントとして、背景がその一つです。背景は写真ならではのぼかしの入った状態でしたが、そうした不均一なぼかしは絵にすると難しい部分でもあります。ですが、この絵ではいくつかの花にポイントを絞り、手前の花と差をつけたピンクを使い、アウトラインをハッキリさせずに描くことで、遠くに見える様子をうまく表現しています。また、写真では緑の部分はもっと少なかったのですが、画面での割合を増やし、そこを生かしてグラデーションを作ることで、日本画らしい雰囲気も生まれています。
塗り始めこそ、ぼかしの部分をどう描いていくか悩み続けていましたが、ポイントを絞ったことで、画面全体にメリハリが生まれたのではないでしょうか。
描く対象が多かったこともあり、桜を描いている時には飽きていた時間も(ときどき!)ありましたが、完成してみるとその飽きも良い方向に結びついたのでは?彼女も日本画は初めてとのことでしたので、これからも様々な画材に挑戦して楽しんで欲しいです!