モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

楽しむ気持ち、かける情熱

2022-07-28 20:01:22 | 学生


千佳 中3 アクリル

課題漬けの日々から解放されました、マユカです!今回は千佳の作品をご紹介します。

自然に関するポスターのコンクールに出品する為に描いていた作品です。
遠くから見ても、細かく描かれていることが分かりますが、実際に近寄って見ると、目を疑うほどの細密さで全体が描かれています。(私が撮らせてもらった写真がピンボケしてしまいました…。これを読んでくださっている皆様に良さを伝えきれず、ごめんなさい。)
どこを見ても写真のようで、奥の木々や茂みなんかは、葉の複雑な色の移り変わりすら丁寧に描きこまれています。水面の透明感や、周りの風景が鏡のように映り込んでいるのも美しいですね。その描きこみに目が行きますが、構図もかなりしっかりとしており、木の連なり方や枝に不自然さを感じないあたり、千佳のデッサン力の高さを感じます。
そして、木々の間から差し込む太陽光はまるでスポットライトのように、中央のボートと女性を照らし出しています。背景がびっしりと描きこまれている分、主役であるこの2つのモチーフを目立たせるのに苦労していましたが、ボートに強く暗い色を入れたり、女性が着ているドレスのコントラストを上げてみるなど、様々な工夫を経て見やすくわかりやすい画面作りが出来ました。

しかしこのポスター、アトリエでそこまで長い期間描いていたという訳ではないのです。部活動の時間などにも描いているのかな、と思い聞いてみたところ、どうやら学校の授業がオンラインで時間があったため、家でひたすら描いていたそうです。なるほど。納得の描きこみ量、千佳がこの作品にかける熱意が伝わってきます。以前の入賞作品なども見せてもらいましたが、それらと遜色ないどころか、かなり高いクオリティで仕上げられているのがわかりました。一つの作品にストイックに取り組む姿勢は私も見習いたいです。

ポスターを作る、それもコンクールに出すとなるとどうしても審査員のことを気にしてしまい、正解を探してしまいますが、今回、千佳の制作中の姿を見ていると、悩みながらもなんだか楽しそうに筆を動かしているように見えました。作品制作で大切なのは、整っているか、正しいかどうかではなく、楽しんで制作できたかだと私は思います。今後の作品作りも、是非めいっぱい楽しんで!

コメント
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