愛菜 中1 岩絵具・顔彩/パネルに和紙
昨日の海の日はおよそ2ヶ月ぶりの祝日でしたね、私はアトリエがお休みだったので曜日感覚が崩れてしまいました...ホノカです。
今回ご紹介するのは、学生クラスの愛菜の日本画です。完成してから少し時間が開いているので本人的には懐かしい作品かもしれません。
西洋画には無い日本画の特徴として、線を生かし簡略化した形を描くという点があります。この作品では『形を簡略化する』特徴が存分に生かされており、滝の流れや、その滝を作る山々の複雑な重なりが単純化され描かれています。この単純化には日本画の中心とも言える特徴が見えてきます。
写真を見ながら複雑な自然を写実的に描くことも作品への一歩ですが、そこを自身のフィルターを通じて必要な部分を抽出することで、描き手の受けた印象や、形の美しさが見えてくるようです。
構図も全体の中で大きなメインがあるのではなく、景色全体を見た時の山並みと、滝の流れが見えることで、風景の様子の美しさが現れています。また、色選びの面でも雰囲気の美しさが伝わります。全体は苔むした様な緑が覆い、滝の落ちた川も少し暗めの青や緑が用いられることで、湿気の多さ・濡れたような空気の感じがあります。ですが、所々に見える新芽のような明るい黄緑や、滝がたくさんの空気を巻き込み白んでいる部分があることで、じめっとした湿度の多さではなく、潤いのある綺麗な空気が伝わってきます。
風景画は本人が受けた印象によって、大きく印象が左右されるという風に思いますが、この作品でも自然の風景を彼女なりのフィルターで濾過した良さが詰まっていますね。単純な形の中にある景色の美しさのポイントの様なものが感じられます。