遠藤 左 透明水彩 / 中央・右 鉛筆
湿度が高い日が続きますね、ナツメです。本日は水曜大人クラスから遠藤さんの人物画をご紹介します!
最近は短時間(1回~2回の授業)で、ご自身で選出した一人の人物の肖像画を描いています。今回は左から野球の大谷翔平選手、ボクサーの井上尚弥選手、三国志の曹操を描かれました。
透明水彩で描かれた大谷選手。普段ユニフォームを着ているところを見慣れているからかスポーツウェア姿はなんだか新鮮な気がしますね!このような日差しの中で逆光になっているアングルは色をつける時に影がくすみがちになってしまいます。そのため陰影の表現が難しいのですが、明るいところを残し強めの暗さを置いたことで眩しい光を見事に描写しています!
次に井上選手。背景に手を入れたことも相まって歴戦の風格が漂っています。こちらも強めのライティングですが、先程の大谷選手と比較すると暗闇の中でスポットライトが照らされている様な種類の光を感じませんか?左の絵では影を描いて明るさを出していたのに対して、こちらでは浮き彫りにする様に光を描くことによって似たような強い光源の描き分けがされているのが素晴らしいです。
そして最後、立派な髭が逞しい曹操。石膏像など人の顔を描く時はどうしても1番目にする自分の顔に寄せてしまうのですが、訝しげだった曹操もどこか遠藤さんのような優しげな表情になっているところが面白いです。先程の2枚よりも当たっている光が弱いのにも関わらず一枚の絵として画面が保っているのは、髭などの要所要所の特に暗いところにところに相応の色をしっかりとつけられているためです!画面の中で1番暗い色が中明度の灰色だと、白〜灰色の中でしか表現ができません。暗い場所にきちんと暗い色を置くことで、白〜黒へと使える明度の幅が広くなり細かな描写ができるのですが、この絵ではそのポイントがバッチリ抑えられています!
描き方の違う3枚ですが、どれもその人それぞれの雰囲気が出ています!短時間でこれだけ写真から表情を拾って描き留めることができるのは、遠藤さんの観察力の賜物でしょう。今後どんな方を描いていくのか、これからも楽しみにしています!