加瀬 油彩
少しずつ暖かくなってきましたね、ナツメです。本日は大人クラスより加瀬さんの作品をご紹介します!
今回描かれたのは教会の内部。暗い室内に色とりどりのステンドグラスが映えています。画面の大半を占めており入り口と見比べてもその大きさがわかりますが、迫力がありながらも夕暮れの薄暗い光により、まばゆい色ガラスにならぬよう全体的に暗い色を使っているため、落ち着いた印象を受けます。油彩は塗り重ねるほど絵の具が盛り上がり、キャンバス上に凹凸ができて細かい描き込みをするのが難しくなるのですが、小さなガラス片の一つ一つを非常によく観察されて描いていますね。入口の上にあるステンドグラスなので、きっとしばらく教会の中に滞在し暗い室内に目が慣れてきた頃に帰る、そんな時に目に入る光輝く神の神々しい姿なのではないでしょうか?心が洗われた後に出ると、外の風景もなんだか美しく見えるような気がすることでしょう。扉から見える景色もしっとりした美しさです。
描かれているのは入口の壁面のみですが、灯りや奥行き、床に反射する僅かな光を丁寧に描写されているため、高い天井や後方に広がっているであろう教会内の景色まで感じられるような臨場感があります。教会の絵というと、ほとんどは外観や祭壇などの入り口から入って正面に目にする光景などが描かれており、圧倒されるような荘厳な雰囲気のものが多いですが、加瀬さんの絵からは優しさが感じられ、神聖でありながらもよく通う身近な場所として、日常を切り取ったような光景に穏やかな気持ちになってきます。
実は本日より父の働くイギリスに1ヶ月滞在しています。私の担当するクラスの方、お休み頂き申し訳ございませんが、海外からブログもアップする予定ですので、旅行記を楽しみにしてください!