玉井 アクリル
マユカです!本日は玉井さんの作品をご紹介したいと思います。
蓮の葉が水面に浮かび、大きな水滴が葉の上につやつやと輝いている景色を描いた一枚。水をはじく特性を持った葉の上で、まるで宝石のようにくりっとした形を保っている水滴の質感がとても美しいです。
実はこちら、玉井さん初めてのアクリル画。思った色はなかなか作れない上、理想の色ができたと思ったら塗っている内にパレット上で硬化して使い物にならなくなる、さらに透明感も出ない…と大変苦労して仕上げました。私もアクリルを使っている身として、「わかる…!!」となるお悩み。不透明なアクリル絵の具は、水彩のように使うには乾きやすく、自然なグラデーションなどを表現するにはかなり扱いづらい画材です。しかしそういった難しさを感じさせないほどの自然な色彩と、時間をかけて描かれたことが伝わってくるほどの丁寧な描写により、小さな画面で見てみるとまるで写真のように見えてきます。
特に葉脈の表現がとても素敵です。西洋の町並み、道に敷き詰められたタイルのようなオシャレさがありますね。様々な緑を、少しずつ隙間を空けて塗ることにより葉の細かな色の移り変わりや、光のあたり加減、繊細な葉脈が感じられます。水面に落ちた影の色合いにも、ほんのりと明るい色を入れてあるため、光を感じ、明るい周囲となじんでいます。1色のみを単調に使っているとこうはいきませんが、何色かを重ねて塗ることで豊かな表現ができるのです。
アクリル絵の具は扱いの難しい点が多々ありますが、デジタルの絵のようにムラなく均一に一面を塗る場合や、細くこまかい線を描く場合などは、乾きやすいけれども伸びが良いアクリル絵の具を使用するとうまくいきますし、水の量によって『かすれ』や『にじみ』の表現が可能なため、様々な場面で使用することが出来る画材です。皆様も是非、アクリルの様々な姿を、実際に使って確かめてみてくださいね!