モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

試行錯誤の挑戦

2022-07-12 20:55:55 | 学生


梅 中3 油彩

虫の声がだんだん増えましたが、虫が苦手なのでここからが正念場になります...ホノカです。
今回は学生クラスから、梅の油絵をご紹介します!
油絵ならではの重厚感のある赤い椿が、大きく中心に据えられた作品です。椿は一般的に12月から2月が花盛りの花なので、少し季節外れになってしまいます。ですが彼女は今回の作品が初の油絵だったということで、その分試行錯誤した結果もあるのではないでしょうか。

上述のように初挑戦であるが故、油絵の具の特徴にとても悩みながら取り組んでいました。油絵の具の特徴として、絵の具が乾くまでに時間がかかるという点があります。この特徴は気に入らない部分を描き直しやすかったり、混色がしやすいという点でメリットにもなりますが、すぐに乾かないため塗っている内に、色が混ざりすぎて同じ色になってしまうデメリットもあります。彼女が今回苦戦していたのもその部分で、椿に影や光を描き込むものの、その部分を描き足していく内に、どんどん色が混ざり合って結局一色になってしまう。という状況でした。ですが、最後の方で点描のように細かく小さく絵の具を置くことで、その課題にも解決策を見出していきましたね!
椿の中心を見ると、影の暗い色だけでなく、紫や黄色など細かく異なる色が使われており、植物のムラのある感じが自然に表現されていると思います。

また、点で描く力は背景にも生かされていますね。手前側にある椿の花とその近くの葉にピントが合っている分、背景はぼんやりとさせてあげることで、より主役の椿が目立つようになります。このぼんやり描くという部分はぼかす加減も難しく、あまりぼかしすぎても手前側の精緻に描かれた花と雰囲気が合わず、かといって背景の葉の密集や木の枝を描きすぎてしまうとメインの椿が目立たなくなってしまいます。そこで、点描にして少し輪郭を曖昧にする事で手前と奥でメリハリのある作品になりました。

以前の彼女の日本画もそうでしたが、動植物の複雑な色合いをしっかり追っている部分が個人的にはとても好きなところです。椿は赤っぽいから暖色系だけ使う、葉は緑系しか使わないというような、ある種の固定観念に囚われないで必要な色を選択していく、その力は今後の作品作りでも大いに活躍してくれるでしょう!あとは同じ部分を永遠にいじり続ける癖が無くなればいいかなと思います!

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夏休みワークショップ

2022-07-11 23:58:49 | お知らせ


2週遅れで完成したヘッドトロフィー(その為YouTubeには出演しておりません)

『今年は夏休みのワークショップはあるのですか?』とのお問合せが増えて参りました。
26年間毎年、夏休み・春休みにどなたでもご参加できる『ワークショップ』を催しておりましたが、今年もコロナの影響で開催を見合わせます。
楽しみにしていらっしゃる皆様には、心よりお詫び申し上げます。

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ちぎり絵和紙の力

2022-07-10 20:07:17 | 小学生 工作

そうきです。もうすぐ夏休みでワクワクしてます!

ヘッドトロフィーはお家で飾っているでしょうか?
2ヶ月近い長い時間をかけて作ったヘッドトロフィー。貼り子の紙の凹凸によって作られるフォルムは、どこか懐かしい素朴さを出しながらも、今にも動き出しそうな生命力を感じます。また何枚も重ねて貼った色和紙は、もう2度と作り出せない美しい色となり、まるで血の通った生き物のようです。

少し前のブログでお話ししたのですが、僕はウルトラマンの怪獣が大好きです。顔に大きなツノがあったり、目が大きくて3つもあったり絶対にありえない造作なのにも関わらず、どこかにいてもおかしくない自然な見た目をしている。それと同じように一つ一つに違う個性があり、更には不自然な所がない。みんなの技術の高さに感服です。

僕は幼児クラスに通っている時から立体物を作るのが大好きですが、ヘッドトロフィー制作は小学生クラスの時にやらなかったカリキュラムでした。アシスタントとして働き生徒のお手伝いをしながら、カッコいい作品が出来上がってく一瞬一瞬を間近で見させて頂き、誰よりも楽しんでいたかもしれません。

和紙をくださった方に本当に感謝ですね。僕が小学生クラスの時にもらいたかったです!(笑)
7月からは油絵です。キャンバスに描く絵画も楽しみましょう!

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愛溢れる海の風景

2022-07-09 20:18:18 | 大人 油絵・アクリル


鈴木M 油彩

岩田です。今回は、鈴木さんの油彩をご紹介します。描く作品でいつも印象的なのは海のある風景。いつも綺麗だなあと純粋に思います。
海で働く「昭和の男」を描いたり、葉山の夕日が照らすヨットハーバーを描いたりと色々な情景を描いています。

今回は、クロアチアの港町を描きました。イタリアのお隣、地中海に面した国です。
聞くところによると、ずっと内戦が続いていた国で、いまだに砲弾の跡があるとのこと。その中でも鈴木さんが描いたこの港は、整備され綺麗になっているようです。

見て分かるように赤い屋根がとても印象的です。この絵は海も描いているのだけど、どちらかというと町が主役。
屋根だけではなく、日差しが当たっている側と陰になっている側、描き分けている壁の色が凄く綺麗!縦長の家なんかも微妙に上下で色の変化を付けているんです。
途中は背景の森や、脇役の建物も丁寧に手を入れていたのですが、主役を引立たせる為にそれらを弱くするなどの工夫をし、演出をしました。

そして海をいつも描いているだけに、水や船の爽やかな印象を見ても良い絵を描くなあとつくづく思います。
脇役なのだけどそれらに愛情が溢れていて、船に塗られた白が実に清々しい。水の反射も良い。
鈴木さんならではの海のある風景、これからも沢山見せて下さい!期待していますよ。

作品を近づけたりしながら詳しく解説しています。
是非YouTubeもご覧ください!こちら

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涼しげに

2022-07-08 19:55:00 | 幼児

 

本日、今年初の蝉の鳴き声を聞きました、蝉が大の苦手の大竹です。いよいよ夏が始まってきましたね。幼児クラスでは、涼しげにプールや海で泳いでいる所を描きました!
まずは浮き輪でぷかぷか浮いている自分。輪っかの中に体が入っているので、浮き輪と体の重なりが難しいものですが、皆さん上手に描けましたね。今回は髪の毛は描かずに水泳帽子をかぶっています。とっても気持ち良さそう!
2枚目は大きな画用紙に、海に潜ってお魚と泳いでいる様子を描きました。腕を大きく伸ばして伸び伸びと海を泳いでいます。お魚はニモでおなじみ、カクレクマノミとナンヨウハギですね。模様やヒレの位置を確認しながらしっかり描いていきました。海水の色は水彩絵の具を使って仕上げているので、水の冷たさが伝わってきますね!

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水辺に佇むカワセミ

2022-07-07 20:33:13 | 大人 日本画


穴田   岩絵具・胡粉・顔彩・透明水彩/パネルに和紙

ここ最近、アイスを食べる手が止まらないマユカです。今回は穴田さんの日本画をご紹介致します。

カワセミの鮮やかな色合いがとても素敵なこちらの一枚。背景の色数を抑え、淡い色合いにすることでその鮮やかさを一層引き立て、視線が自然とカワセミに向くようになっています。空飛ぶ宝石とも呼ばれるカワセミ特有の羽毛の質感を、ブルーとヒスイ色のグラデーションで表現しており、光が当たってきらきらと光っているようです。枝の先に立って水面をじっと見つめているその姿は、餌になる魚を探しているのでしょうか。小さくてかわいい見た目をしていても、餌を捕らえる時は立派なハンター、こころなしか表情もキリっとして見えてきませんか?

今回、なるべく少ない手数で仕上げられるよう、ベースの下塗りは、和紙の質感を活かした薄塗で、オーカー系(黄土色)の色を全体に塗りました。水干をベースに、胡粉・顔彩・透明水彩を重ねるだけでも、こんなに『日本画』になってしまいます。日本画だからと言って、ガッツリと粗い岩絵具を使わなくても良いのです。敷居が高いと思われがちな日本画にチャレンジする人が増えそうな作品ですね。皆さんも日本画が描きたくなってきたのではないでしょうか。

背景の色彩と構成は、主役を見せるための大切な脇役です。穴田さんが描かれたような美しく整理された背景は、主役をわかりやすくするだけでなく、魅力も引き出してくれます。皆さんも背景の整理整頓に挑戦してみてください!

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きらめき、輝き

2022-07-06 23:11:37 | 大人 日本画


坂本  岩絵具・顔彩・パール/パネルに和紙

毎晩エアコンの稼働具合(?)に悩んでいます、ナツメです。今日は月曜大人クラスの坂本さんの日本画をご紹介します!

ふわっと広がる花びらが幻想的な作品。石の濡れた部分が濃い色になるように、岩絵具は画材の中でも特に乾く前と乾いた後の色の差が激しく扱いが難しく、葉の色のイメージが少し違ったから直します、などと坂本さんもその都度何度も根気強く修正を繰り返し描かれました。その甲斐あって、疎密の関係や花と背景のコントラストなど、構図から色の関係までを隅々までよく考えられて描かれた作品なのが伝わってきます!表現の面では、一枚一枚の花びらの薄さや、特有の柔らかい形が繊細に描かれています。周囲の葉の描写を最低限に留め、花の方で情報量に差をつけているため、白〜ピンクの柔らかい色の変化や質感の書き込みが引き立っています。

パールを花びらの部分に全面的に使っているので、写真の様に真正面から見ると白く見えるのですが少し角度を変えると光が反射して綺麗に輝くようになっています!マットで落ち着きのある岩絵具のテクスチャの中にパールがきらめいている様子が、描画した部分だけでなく質感の面でもさりげなく華やかさを出しています。また、実は葉脈も金色なのですが、パールの光沢と質感が合っているため花が開くような中央から外へと伸びていく流れが作られていて、空気の広がりまで感じさせます。坂本さんご本人は「白だと思って使ってみたら光沢の出る絵の具で意外でした」と仰っていたのですが、画角によって変わる表情を楽しめる醍醐味がありますね!ぜひ通路の壁など、目線が変わるような場所へ飾って下さいね!

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楽しく描く気持ち

2022-07-05 22:44:30 | 学生


梨愛 中2   岩絵具・顔彩・金泥/パネルに和紙

暑いのも辛いですが加えて雨も降ると蒸し暑いですね!ホノカです。
今回は学生クラス日本画から梨愛の作品をご紹介です。豊かな緑と桜の桃色、そしてその中に佇む黄色のカナリア。今年も春はすぐに過ぎてしまいましたが、それを思い出させてくれる暖かい雰囲気が素敵です。

彼女は以前にも油絵でいちょう並木の風景画を描いており、その時も「全面が黄色に染まって実際に訪れたら絶対に楽しそう!」そんな雰囲気が溢れ出る絵を描いていました。今回の絵もその絵を思い返す様に、花が咲き始め、鳥が鳴く春の訪れを楽しむ雰囲気のある絵になっています。彼女はいつも明るく人と話すのが好きな性格なのですが、そんな人柄まで絵から伝わってきませんか?私が同じ写真を見ながら描いても、この楽しそうな空気感は生み出せないと思います。

苦労していたポイントとして、背景がその一つです。背景は写真ならではのぼかしの入った状態でしたが、そうした不均一なぼかしは絵にすると難しい部分でもあります。ですが、この絵ではいくつかの花にポイントを絞り、手前の花と差をつけたピンクを使い、アウトラインをハッキリさせずに描くことで、遠くに見える様子をうまく表現しています。また、写真では緑の部分はもっと少なかったのですが、画面での割合を増やし、そこを生かしてグラデーションを作ることで、日本画らしい雰囲気も生まれています。
塗り始めこそ、ぼかしの部分をどう描いていくか悩み続けていましたが、ポイントを絞ったことで、画面全体にメリハリが生まれたのではないでしょうか。

描く対象が多かったこともあり、桜を描いている時には飽きていた時間も(ときどき!)ありましたが、完成してみるとその飽きも良い方向に結びついたのでは?彼女も日本画は初めてとのことでしたので、これからも様々な画材に挑戦して楽しんで欲しいです!

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新刊発行のお知らせ2

2022-07-04 21:56:41 | 小学校受験

『生き物が 簡単に 多種類 描けるようになる本』の内容を、YouTubeで詳しくご紹介しました!
上達するコツをたくさんお話していますので、ぜひご覧になってください!(いつもの如く長くなり過ぎてしまいましたので、2つに分けました。面倒ですみませーん!)

紹介1はこちら
紹介2はこちら

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新刊発行のお知らせ

2022-07-03 13:57:48 | 小学校受験

当校から出版するテキストの新刊をご紹介致します。今回は、小学校受験をされる幼稚園児だけを対象としているのではなく、小学生の絵画上達まで視野に入れたテキストです。

小学生を2,000人以上 上達させた講師が伝授する 動物の描き方
「誰よりも うまく」もいいけど、どんな生き物も「そつなくなんでも」「何にも見なくても」描けるって楽しいよね!
いきものが 簡単に 多種類 描けるようになる本

☆動物画を上手く見せるカギは『もも=大腿骨筋』の表現力にあった!
☆前脚・後脚の『関節』『曲がり方』は、哺乳類も爬虫類も同じ!
☆脚の描き方を覚えれば、どんな生き物もいきいきとして見える!

例えば彫刻で木の馬を彫るとしましょう。四角い木材にいきなり目の形を彫ったりするでしょうか?それは意味のないことだと誰でも分かりますね。
絵を描く時も、細部から描いてしまうとバランスや構図が悪くなります。 失敗が続き、せっかくの描きたい気持ちが消失してしまっては勿体ない!
単純・大まかな動物の体の仕組みを知っておくだけでも、あやふやな理解のまま図鑑を真似して描いているよりは断然上手くなるし、説得力も違います。
このテキストで描き方を身に着けていくことによって、多種類の生き物も、沢山のポーズも、描き分け出来るようになります。自分でもビックリするくらい生き生きとした、リアリティー溢れる動物を生み出してください!

生き物の脚の骨格を知っていれば、リアルな動物が描けるだけでなく、描けない動物がなくなると言ったら信じますか?
しかもその骨格は、人間もウマもネコもカエルですら、ほぼ同じ!ということは、1種類だけ覚えれば全て描けるということ。
難しく考える必要はありません。まずは脚の部位の名称・関節の曲がり方を覚え、前脚・後脚の基本形を習得しましょう!

定価 3,300円(本体価格3,000円+税)+送料370円
購入希望の方は、以下のメールアドレスに、件名『いきものテキスト購入』とし、※お名前・配送先住所・電話番号・お子様の年齢(学年)を添えてお申し込みください。
mios@ace.ocn.ne.jp
振込先等の入金方法など確認の返信を3日以内に致します。もし返信がない場合お手数をお掛けしますが、再度ご連絡頂けますと幸いです。ご入金確認後、配送致します。

詳しい内容をYouTubeでも2部に分けてご案内しております。
紹介1はこちら
紹介2はこちら

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壁掛け工作

2022-07-02 18:25:32 | 小学生 工作

ヘッドトロフィー紹介・第4段! 
子どもの動画を撮っていると、いつもウザうるさいのにいざという時に大人しくなるタイプ、普段大人しく自己主張しないのにここぞという時はハキハキしゃべれるタイプ、短く的確に話がまとめられる子、真っ白になって固まってしまう子、「あれ?この子こんなタイプだったんだ!」と面白い発見がたくさんあります。
親御さんからも「うちの子がムードメーカーをやっているなんて意外で驚きました!アトリエが楽しいからですね。」など嬉しいメールも頂きました。
YouTubeはこちらです!

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ちぎり絵用の和紙で立体

2022-07-01 20:11:58 | 小学生 工作

ヘッドトロフィー紹介・第3段! 
「ノリ先生いつも怒ってばっかなのに、ユーチューブ撮ってる時は違うよね。」「ホント別人。良い恰好しぃじゃね?」「そうそう、電話掛かって来た時も声が違う。」と陰口が聞こえて来たので、
「んなこと言うなら、メチャクチャ優しくしてやるよ!『〇〇君、ここちょっと剝がれてまちゅね。自分でできるかにゃ?先生が一緒に直してあげまちゅか?』」と言うと、
「結構ですっ!」「激怒でお願いします!」との事。
YouTubeはこちらです

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