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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

ハーウガミ(泉拝み)

2018-06-19 00:24:03 | 生活・文化

 18日は旧暦の5月5日で、祖先が使ったハー(泉)を拝む日なので、午後から今帰仁村に行き、父方の祖父が生まれ育った旧岸本のヤナジガーの清掃とウガン(拝み)を行った。あわせて母方の祖父母が水を汲んだ場所へのお通しもした。

 首里・那覇では泉のことをカーというが、今帰仁ではハーという。首里・那覇の言葉でカ行がハ行となり、ハ行がパ行になるのがナチジンクトゥバ(今帰仁言葉)の特色である。例えば、風が吹くを首里・那覇ではカジヌフチュンというが、今帰仁ではハジヌプチュンという。

 昨日は旧暦の5月4日でユッカヌヒーだった。各地でハーリーが行われ、それにつづけてハーウガミが行われる。上水道が整備されない頃、村にとって一番大事な場所が、日々の生活用水を汲むハー(泉)だった。ハーの湧き口に棲むウナギは神ウナギとして大切にされた。

 ハーリー鐘が鳴ると梅雨が明けるというが、沖縄はまだしばらく雨が続きそうだ。台風6号が来るまで沖縄は記録的な少雨で、給水制限の話もあったから、雨が多いのはいいことだ。同時に、沖縄にとって飲み水の確保が危険にさらされるのは、少雨だけではないことを心しなければならない。下の記事を読んでほしい。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-594145.html

 北部訓練場を飛び交っている米軍のヘリやオスプレイが福地ダムに墜落すれば、沖縄県民の生活はもとより、観光業や飲食業など多くの産業が即座に影響を受ける。基地あるが故に、こんなもろい状態に沖縄県民の生活も産業も置かれているのだ。

 ハーウガミの行事もほとんど消えかけている。命の源である水への感謝を忘れ、当たり前のように浪費する。沖縄もこうやって荒んでいくのだろう。

 


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