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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

島袋純氏の学習講演会

2010-03-11 02:12:21 | 政治・経済
 3月に入って暖かい日が続き、昼間は半袖で過ごしている……と書いたら、一昨日(9日)は朝から雨模様で肌寒い一日となった。那覇では普天間基地の「県内移設」反対を政府に訴えに行く県会議員を励ます集会もあって、学習講演会はどれだけ集まるだろうか、と心配だったが、40名余の参加があった。親川副市長ほか職員数名や市会議員3名も参加していたが、悪天候のなか参加された皆さん、有り難うございました。
 島袋純氏(琉球大学教授)の講演は、沖縄の自治体が抱える問題を具体的に示しながら、克服すべき課題や目指すべき地方自治のあり方が語られていて、もっと多くの市民、役場職員に聞いてほしかった。選挙で新しい市長が選ばれても、市の職員や市議会議員、市民が変わらなければ、名護市は変わらない。司会の方から、島袋氏を呼んで職員研修をしたらどうか、と提言があったが、実際に市は検討してほしい。
 沖縄振興計画による高率補助があるため、沖縄では市民のニーズや費用対効果を無視して公共事業が進められ、事業後どれだけの利益や成果があったかを自己検証することもないがしろにされてきた。島袋氏はそう指摘して、特に沖縄県庁職員の問題を林道事業を例に批判していた。
 右肩上がりの経済成長の時代が終わり、地方自治体の財政危機が深まる中で、補助金目当てで大規模事業を起こすという発想から転換し、低予算でも市民のニーズに応える事業のあり方を目指すこと。そのためにも市民が市政に積極的に参加できる仕組みを作ることなどが提起されていた。
 辺野古新基地受け入れと引き替えに、島田懇談会事業や北部振興策によって金が注ぎ込まれてきた名護市は、それが市の財政や地域経済、職員、市民の意識にどのような影響を与えたかを検証し、生じている問題を克服していかなければならない。それは生やさしいことではないはずだ。現在、市議会の3月定例会が開会中だが、まずはそこでの議論に注目したい。

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