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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

第25回「うないフェスティバル」への参加

2009-12-14 18:48:00 | 住基ネット・監視社会
 昨日(13日)は那覇市国際通り沿いのテンプス館とその前の広場で第25回「うないフェスティバル」が開かれた。「うない」とは沖縄の古語で「姉妹」を意味し、兄弟は「うぃきー」という。ちなみに、私の祖父は兄弟姉妹のことを「うとぅじゃんばー」と言っていた。
 1985年に初めて「うないフェスティバル」が開かれた時、ラジオで長時間にわたって中継をしていたのを覚えている。女性の地位向上や政治参加、平和、人権などを課題にして女性たちによって行われてきた「うないフェスティバル」は、いまは女性団体以外も参加して開催されている。



 テンプス館前の広場にはテントが設置され、各団体が展示や活動報告、物品販売などを行っていた。また、エイサーやミニコンサート、舞踊、各団体のアピールなどが行われた。沖縄では場を盛り上げるために指笛が吹き鳴らされるが、「指笛王国沖縄」という団体が指笛による演奏を行っていた。初めて見たのだが、指笛でこんなに巧みに曲が奏でられるのかと驚かされた。





 反住基ネット沖縄も昨年から参加している。住基カードが開始されてから毎年行っている「発行状況調査」の結果や、Nシステム、監視カメラの問題などを写真・資料展示し、国際通りを通る人たちにビラ配布を行った。
 以下に当日配布した「反住基ネット沖縄」のビラを参考までに紹介したい。


 高速道路や幹線道路を運転していると、カメラがこちらに向かって設置されています。警察によって設置されたNシステムといわれるもので、正式には自動車ナンバー読みとり装置といいす。その名のとおり私たちが乗っている自動車のナンバーを読みとって記録しているのですが、それだけではありません。運転手や助手席に乗っている人の顔や車内の様子まで、昼夜を問わず写真に撮られて記録されています。
 Nシステムは県内はもとより全国各地に設置されていて、その数は今年度末には1498基に達するといわれています。Nシステムの下を通った車はすべて記録されていますので、車を使って移動している人物の行動を把握することができます。そこには個人のプライバシーへの配慮などありません。
 現在、犯罪捜査にこのNシステムが使われていますが、警察に蓄積された膨大なデータが、どのように利用されているか、詳細は明らかにされていません。ただ、幹線道路を通る私たちは、あたかも犯罪者でもあるかのように、常に警察に監視されています。

 警察による監視の目は、幹線道路だけでなく、街中に張りめぐらされています。横断歩道を渡ろうと信号機の前に立ちます。いま監視カメラ付きの信号機が増えていて、私たちが気付かないうちに映像が記録されています。
 監視カメラはいまや、公共、民間を問わず様々な施設で当たり前のように設置されています。マスメディアを利用して、監視カメラの映像が犯罪捜査に活用されていることがPRされています。しかし、無差別に撮られている私たちは、監視カメラの映像がどのように利用されているかを知ることはできません。
 犯罪捜査に役立つからと、個人のプライバシーが簡単に侵されていいのでしょうか。インターネットでは隠し撮りされた様々な映像が流れています。監視カメラによって撮られた映像が流出し、あなたの映像がインターネット上に流れたらどうしますか。

 個人の監視は思わぬところで進んでいます。あなたが持っている携帯電話のGPS機能(英語Global Positioning Systemの略。全地球測位システム=人工衛星などからの電波によって自分の位置を確かめる装置)は、あなたが今いる位置情報を伝えます。その機能を利用して、警察による特定人物の行動監視が行われています。
 今年に入って、煙草の自動販売機で使われるタスポが、警察の捜査に利用されていたことが明らかになりました。タスポだけでなくクレジットカードやキャッシュカードなど、多様なカード類を使うたびに蓄積される個人情報が、本来の目的から外れて警察に利用されています。また、蓄積された個人情報の売買や外部流出の問題も後を絶ちません。

 私たち反住基ネット沖縄は、国民すべてに11桁の番号を強制的に付けている住基ネットシステムが、国民総背番号制による国民監視システムであるととらえ反対してきました。毎年、県内自治体が発行している住基カードの発行調査を行ない、問題点を指摘しています。
 それと併せて、Nシステムをはじめ多様な形で進められている監視体制の強化に反対し、個人のプライバシーの尊重を訴えてきました。今年は県内学校で行われていた生徒の「支援カルテ」の問題も取り上げ、教育庁への抗議行動を行っています。
 実際には凶悪犯罪が減っているにもかかわらず、マス・メディアによって猟奇的犯罪が繰り返し報道され、「体感治安の悪化」が強調されています。そのために犯罪捜査のためなら、個人のプライバシーを制限することもやむを得ない、という風潮が作られています。
 しかし、問題が発生する社会的要因を解決しないで、監視を強化するだけでは、私たちの社会は自由が失われ、息苦しくなるだけです。多くの県民の皆様に、住基ネットや監視社会の問題について、ともに考え、行動することを呼びかけます。

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