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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

米軍だけでなく

2008-04-23 23:42:54 | 米軍・自衛隊・基地問題
 昨夜は米軍の夜間演習が行われていて、夜の九時を回っても名護市上空を米軍ヘリやF15戦闘機が飛行し、爆音を響かせていた。嘉手納基地や普天間基地周辺では、さぞうるさかったであろうと思っていたが、今朝の県内紙には、嘉手納基地で未明からF15戦闘機の離陸が行われたという記事が載っている。これまで繰り返し周辺自治体が抗議しているのだが、それを無視しての未明離陸強行である。まさにやりたい放題だ。沖縄の「負担軽減」をはかると言いながら、実際にはパトリオットミサイルの配備や夜間・未明の離着陸訓練など、嘉手納基地ではそれと逆行する動きが進んでいる。
 それに輪をかけて、沖縄では自衛隊の強化が急速に進んでいる。航空自衛隊の嘉手納基地使用もこれまで何度か話が出ているが、そのうち具体的な計画が示されるかもしれない。すでにキャンプ・ハンセン基地では陸上自衛隊が訓練を行っている。それによって米軍専用施設ではなくなった、ということになれば、全国の75%が沖縄に集中しているという数字が、見かけだけ減少することになる。米軍再編によって自衛隊と米軍の一体化が進み、基地の共用化も進んでいけば、そうやって見かけだけの米軍基地「縮小」も進むというわけだ。それを利用して沖縄の「負担」を少しでも小さく見せようと姑息な報道をするマスコミも出るだろう。
 しかし、実際には米軍演習に加えて自衛隊の演習も行われるわけだから、地域の負担や危険性はむしろ増大していく。相次ぐ自衛隊の事故・事件をみれば、米軍だけでなく自衛隊の脅威にも住民はさらされることになる。
 鹿児島県姶良町で起こった自衛隊員によるタクシー運転手の殺害事件は、行動といい、手口といい、横須賀の米海軍兵による事件をなぞったようだ。部隊を脱走して行方をくらまし、タクシー運転手を襲って背後から首を切る。刃物で背後から首を狙うというのは、軍隊の格闘術(殺人術)の一つなのだろうが、それを無防備な市民に対して実行する兵士が、日米両軍の中で生まれていることが恐ろしい。
 沖縄で生活していれば、いつ自分が米軍や自衛隊の起こす事件・事故の被害者になるか分からない。沖縄戦の教訓「軍隊は住民を守らない」というのは過去の話ではない。そのうち「米軍より日本軍の方が怖かった」という言葉まで復活しかねない、というのは冗談ではない。

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