鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

南ノコマイ熔岩

2022年12月20日 | 鳥海山

 従来の「南ノコマイ」は「西河前」(にしのこまい)と地形図上修正されましたが、地質図の場合はどうでしょう。今回の改訂の結果、「西ノコマイ」に「南ノコマイ熔岩」がある事になってしまいました。

 そこで国立研究開発法人産業技術総合研究所に問合せしてみました。まともな所はちゃんと返事を返してくれます。遊佐町とは大違い。以下の通り回答が届きました。


地図の場合国土地理院が一義的に修正することが可能です.
しかしながら,地層名の場合は,地層命名のガイドラインに基づいて命名が行われますので,一度命名されると,査読のある出版物等で学術的に「再定義」されないと替えられません.
このため,間違った地名の記載や当該地層のないところの地名が付けられ,そのまま流通しているものもあります.
例えば「御荷鉾(Mikabu)緑色岩類」の本来の地名の記載は御荷鉾山に由来するMikaboであるところMikabuで国際的に流通しています.
今後の学術的な再定義に期待したいと思います.


 簡潔でわかり易い回答だと思います。地層名はなかなか簡単には変えられないのですね、たとえそれが間違っていても。

 さて、「西ノコマイ」についてもう一点。昭文社が「山と高原地図 鳥海山」の執筆者である斎藤さんを通して遊佐町に確認をとったところ、下の現行の地図にある「西ノコメ」「中ノコメ」「南ノコメ」の地名は「~ノコマイ」表記であることの確認が取れました、との事で次回出版時より「西ノコマイ」「中ノコマイ」「南ノコマイ」に修正されるそうです。

 やはり肩書を名乗って問い合わせしないと遊佐町は回答しないという決まりがあるんでしょうね。博士号は持っていませんが劣等生ながら史学専攻学士の称号はありますのでそういう肩書名乗って問合せしてみましょうか。


 ついでにもう一つ、25000地形図「西ノコマイ」の最上流にも「西河前」と記載ありますがその沢は「月山沢」で「西ノコマイ」ではありません。「西ノコマイ」は一の滝より下流、三つの沢が合流するまでの間です。


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