相方の職業は庭師。普通に剪定をするくらいは特に何もしませんが、木を切り倒したり、大きく伐採、または伐根するときには塩やお神酒を撒いてお清めをしています。
相方ははもちろんのこと、彼の仕事仲間のほとんどはやはり同じようにしています。
今では家を新築するときなどの地鎮祭もしないところが多いらしいですが、その手のことは一切省略しません。
大掛かりな工事のときには必ずお祓いをしてもらっていました。
最近ではそれほど大きな造園工事の話もありませんけど、以前はそうしたお祓いをある女性にお願いに行っていました。
その女性は、今私たちが住んでいる家を建ててくれた大工さんのお姉さんで、そのつながりでお祓いをお願いするようになりましたが、その方は現地に出向いて
お祓いするのではなく、ご自分の教会(もちろんキリスト教ではなく神道の)でお祓いするスタイル、いわゆる「遠隔」お祓い。
そんなんで効果あるんかい!?というご指摘があろうかとは思いますが、この方、私たちはずっと「先生」と呼ばせていただいていたので、この記事でも
同様に表すことにしますが、私が自分で経験はしていないけれど、相方から聞いたその先生に関する「へぇ~」な話をふたつほど。
その壱。
かなり昔、相方が父親と一緒に庭師の仕事をするようになってしばらくしてからのこと。仕事で伐採か何かのお祓いのために先生のところへ伺い、ご祈祷して
いただいた後、先生が後ろにいた相方たちのほうを振り返って
「最近、何か大きな木を伐りませんでしたか?楠か何か」と尋ねられたのだとか。
ちょっと考えていると義父が、少し前に大きな桜の木を伐ったことを思い出しました。
その木を伐る仕事は他の大きな造園会社からの下請けでの仕事だったので、伐るときに思い出してお神酒と塩で清めたそうなのだけれど、先生いわく
「大変怒っていらっしゃいます」
・・・・・・聞いて相方も義父もぞ~っと。念入りにお参りしていただいて、特に障りはありませんでしたけど、わかる人にはわかるのだな、と話を聞いて
思った私。
その弐。
これもかなり前の話で、こちらの話は私はすっかり忘れていたのですが、義弟が「何か背中に重いものが乗っているような感じがして」と言うので、相方と
一緒に先生のところへ伺いご祈祷をしていただいた後、ふと立ち上がった先生が部屋の窓を開け
「今出て行っていただきましたから」
と、おっしゃったそうな。
窓開けないと出ていけないのか?目に見えないくせに~!とこの話を今朝改めて聞いて思いました。ニュートリノみたいに通り抜け出来ないのか?(笑)
まあそんな超人的?な能力をお持ちだった先生もお年には勝てなかったようで、去年亡くなられたとのこと。
亡くなられてことを聞いて、相方も私も、今後お祓いが必要になったときはどうしようね~?なんて心配していましたが、先生の息子さんが継いでいるという
ことを聞いて一安心。
そして昨日。その先生のお孫さんに我が家の土場、仕事で不要になった木々などを植えてある場所があるんですが、そこのお祓いをしていただきました。
かなり大きくなった楓を大きく伐採したり、不要な木は処分したりするので、ここはやっぱりお祓い必須、と判断したから。
先生の息子さんに電話すると、そういうことなら息子に行かせましょうと言われ、準備に30分、ご祈祷に30分、片づけ30分で3万円との説明が。
準備は先方で全て行うので、こちらで用意するものはなく、雨が降った場合は家の中の神棚のところで行うとのこと。
風は強めだったものの雲もほとんどない上天気の大安吉日。
一件前のお客さんが遅れたので、と予定より30分遅れてやってきたのは小柄な若い神主さん。白い着物に浅葱色の袴という、神社でよく見かける神職のスタイルで
レクサスに乗ってやってくるところがなんともミスマッチな感じ。
神主さんが準備をする間なんとなく見ながらまっていたのですが、折りたたみ式の祭壇を設置して、無印(シールが貼ったままだったので丸判り:笑)の大きな
白いコンテナから三宝を5つだったか取り出して、その上にお供え物を並べ始めました。
スルメや昆布など、お祭のとき祭壇に備えるお馴染みのものももちろんありましたが、その後出てきたものに「え?」と思った私。
何が出てきたか、というと、まずどーんと置かれたのが、キャベツ。そしてサツマイモ。
お祭のときに決まって供えている、大根やレンコン、ゴボウなどは見当たらず。次に出てきたのはニンジンとキュウリ。確かにニンジンは供えていますが、
キュウリもあまり見かけないよね・・・
野菜の次に果物もお供えしたのですが、本当に目が点になったのは、三宝の上にどどーん!とばかりに置かれた生のパイナップルを見た瞬間でした。
ここでパイナポー、ですか???
今どきのお供えはこんなもの、なのかなぁ・・・と思いながら、その後予定通りご祈祷30分、片づけ30分でお昼前に無事終了。
片づけのとき、お供え物を持ってきた段ボール箱に入れていた神主さん、そのままお持ち帰りかと思ったらお下がり(撤饌)として渡されました。
後で中を確認すると、1枚だと思っていたスルメは3枚もあったし、私は使ったことがほぼない棒寒天に、三宝の縁に隠れて見えなかった高野豆腐や干し椎茸も。
そしてどうするパイナポー・・・・・・
葉っぱの部分を切り落としたのだけれど、あまり香りがしません。甘くなかったらどうすればいいんでしょうね。
後ほど、神主さんのお母さん、先生から言うとお嫁さんから相方に電話があり、実際に作業するときにはもう一度塩を撒いて充分にお参りしてから、と助言
されました。なんでも以前まだ先生がご健在だった頃、ご祈祷のあと何か問題があったのか、クレームをつけたお客さん?から苦情を言われた先生、
「それはあんたのお願いが足らなかったから」とぴしゃりとおっしゃったそうな。他人任せでなく、自分で充分、かつ真剣に。願いごとの基本ですね、これ。