紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

こわい、本。

2009-08-10 14:57:00 | 読書
 例えば「本当にあった浮「話」とか、都市伝説とか、恐楓汢謔ニかホラー小説や映画は、私は遠巻きにして近づこうともしないくらいダメなんだけど、そんな私がどうしても欲しくて買ってしまった「こわい本」がある。

 しかも単行本にしては、なかなかのお値段だった。6、7年前に買った値段が2300円+税。普通なら、たぶん買わない(買えない)。

 でもこれは、ながいこと手にとったあげく、さんざん本屋さんに通ってなやんだあげく、ちょっと立ち読みしたあげく、どうしても欲しい本に間違いないことが決定したので、清水の舞台から飛び降りた。

 買ったのは、内田百けん/著 金井田英津子/画 パロル舎/刊の『冥土』

 あの内田百けん先生の、不気味だけどリリカル、かろやかだけど胸苦しいほどインパクトのある文章に、がっちりと向き合って補完しあう金井田さんの版画。これぞ、コラボ。

 純度の高い恐ろしさに酩酊。いわく言い難い、名付けようもない不思議なトリハダ世界。ある意味、オトナだけが味わえる恐賦エかも。

 パロル舎の『冥土』は造本の傑作。本という形態で読む幸せを、しみじみと感じさせてくれる逸品。手に取って、つくづくと味わっていただきたい本です。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (れんくみ)
2009-08-11 07:51:58
本屋さんと古本屋さん、少し長居できるときに一番にチェックするのは、バニラクリーム色のちょっとだけ『ひねくれたあたたかみ』のある裏表紙『ちくま文庫』のコーナー!!そこに『百けん大先生』の本があるかどうかを見にいきます!なかなかないのよね~。持たないものがればもちろん『即買い』
今読んでるのは『まあだかい』です。すでに晩年の本で老練されており、あの『足元すくわれ感』『薄暗くてはっきり見えない恐賦エ』はあまりないですが、この『死さえわが道、けどイヤなモンはイヤ』百けん大先生やはりすごい。

『冥途』はちくま文庫の10冊あまりのなかで猫関連以外、読めてない中の数少ない一冊です。これは、やはりアマゾンで購入すべきかも!ですね
返信する
Unknown (紙魚子)
2009-08-11 22:52:50
 私はほんのチョビットしか読んでないのですが、人を煙に巻いて(でも決して騙しているのではなく、大胆な程率直に)借金をされる手腕と哲学に、呆然でした。借金することを「錬金術」というのは、彼だからこそ笑えるのですよね。他の人には、できない兼魔ナす。

『冥土』は、ごく短い短編ばかりなので、あっというまに読破できます。不思議な話ばかりでした。
返信する

コメントを投稿