「なんでサムソンはわざわざシャープから液晶(パネル)を買うわけ?」
「サムソンだって自分で液晶作ってるじゃん!」
という質問を受けたので回答したい。
まあ、直近の両方の決算短信を見てもいないので、あくまでも憶測ということをおことわりしたい。
液晶パネルの製造とは、装置産業である。
装置産業とは、とにかく高価で巨大な製造装置一式をそろえて可能なかぎりフル稼働させて生産する産業という意味だ。
ようするに、とにもかくにも製造装置一式をそろえないと話にならん。
だから何なのかというとだな・・・
機械というのは、使ったら使っただけボロくなり、価値が落ちる。
実は会計上もそれを考えて処理する。
不動産の建物部分や高価な機械は、買った瞬間にそのお金は使って消えたものとは処理しない。
財産は現金からモノへと切り替わっただけで、買った瞬間にはまだ損してはいない。
毎年ちょっとづつ価値が落ちるという具合に会計処理する。
これを減価償却という。
最先端の設備に入れ替え続けなければならないハイテクの装置産業とは、この減価償却との戦いになるのが常だ。
それがどうきいてくるかというとだ・・・
工場で設備が寝てるだけで、全く稼働させなくても減価償却でどんどん損失が発生しつづけるということだ。
(シロウトのマンション投資では、この減価償却分を考えていない点で見積もりが甘すぎるケースが多々ある)
これでわかったろう。
シャープの堺工場の稼働率が30%なんて言ってたこともあるが、それがシャレにならんのはこういう理由があるからだ。
けっして工場作業員の仕事もないのに雇っている分だけ人件費がかかるからという理由が主なわけではない。
(たしかシャープは累計で1兆円くらい減価償却費を計上していたような)
じゃあ、やめたらいいじゃん?
・・・ということになるわけだが。
液晶パネルの相場が誰も採算ラインにのらないほど低迷してしまうと、誰も液晶パネルを新しく作る工場を建てようとはしない。
だから仮に堺工場の製造設備一式を売却しようとしても、ふつうに考えれば簿価では売却できない。
売ったら売ったで簿価では売れないから損し、売らずにじっとしていればじっとしていたで減価償却費が発生し続けて損する。
まあなんと困ったものか。
・・・という状況にシャープはなった。
(ただし、減価償却費が発生したとしてもお金の支払いがあるわけではないので、キャッシュフローはそれほど悪くはならない)
どうせ工場を稼働させなくても減価償却でどんどん損するんだったら、生産すれば黒字にはならなくても赤字を減らすことができるケースはありうる。
教科書的には、ライバル企業が脱落して供給が減ったり景気が良くなって需要が増えたりするまでガマンするという理屈でそうする。
だから液晶に社運を賭けているシャープは例え赤字でも液晶パネルの生産を続行する必要があった。
じゃあサムソンのほうは?
サムソンのほうは、自前の生産キャパを仮に全部使いきったとして、設備投資をしてそれ以上に生産規模を拡大したいと思うだろうか?
答えはNO。
相場が下がりすぎて設備投資をしても儲からないからだ。
(今はどうか知らんが少なくとも前に見たときは)サムソンの液晶部門は赤字だった。
(ただしライバル企業を蹴落として自分だけの独占状態を作りだすために赤字価格でもじゃんじゃん生産してダンピングするという作戦もありうる)
だったらどうする?
すでに不必要に巨額の設備投資をしてしまった投資にしくじった会社から液晶パネルを買い叩けばよろしい。
そうすれば、自分で生産するより安上がりに、自分で生産したら減価償却費も回収できないほど安く調達できるかもしれないわけだ。
これで見事にサムソンとシャープの思惑は一致するに至る、というわけさ。
「おまえなんでこんなことわかるわけ?」
と聞かれたが、別にわかるわけではない。
あくまで推測だ。
裏もとってないから根拠にも乏しい。
なんで推測できるかというと、これは株をやっているからというのが適切だろうかね。
「サムソンだって自分で液晶作ってるじゃん!」
という質問を受けたので回答したい。
まあ、直近の両方の決算短信を見てもいないので、あくまでも憶測ということをおことわりしたい。
液晶パネルの製造とは、装置産業である。
装置産業とは、とにかく高価で巨大な製造装置一式をそろえて可能なかぎりフル稼働させて生産する産業という意味だ。
ようするに、とにもかくにも製造装置一式をそろえないと話にならん。
だから何なのかというとだな・・・
機械というのは、使ったら使っただけボロくなり、価値が落ちる。
実は会計上もそれを考えて処理する。
不動産の建物部分や高価な機械は、買った瞬間にそのお金は使って消えたものとは処理しない。
財産は現金からモノへと切り替わっただけで、買った瞬間にはまだ損してはいない。
毎年ちょっとづつ価値が落ちるという具合に会計処理する。
これを減価償却という。
最先端の設備に入れ替え続けなければならないハイテクの装置産業とは、この減価償却との戦いになるのが常だ。
それがどうきいてくるかというとだ・・・
工場で設備が寝てるだけで、全く稼働させなくても減価償却でどんどん損失が発生しつづけるということだ。
(シロウトのマンション投資では、この減価償却分を考えていない点で見積もりが甘すぎるケースが多々ある)
これでわかったろう。
シャープの堺工場の稼働率が30%なんて言ってたこともあるが、それがシャレにならんのはこういう理由があるからだ。
けっして工場作業員の仕事もないのに雇っている分だけ人件費がかかるからという理由が主なわけではない。
(たしかシャープは累計で1兆円くらい減価償却費を計上していたような)
じゃあ、やめたらいいじゃん?
・・・ということになるわけだが。
液晶パネルの相場が誰も採算ラインにのらないほど低迷してしまうと、誰も液晶パネルを新しく作る工場を建てようとはしない。
だから仮に堺工場の製造設備一式を売却しようとしても、ふつうに考えれば簿価では売却できない。
売ったら売ったで簿価では売れないから損し、売らずにじっとしていればじっとしていたで減価償却費が発生し続けて損する。
まあなんと困ったものか。
・・・という状況にシャープはなった。
(ただし、減価償却費が発生したとしてもお金の支払いがあるわけではないので、キャッシュフローはそれほど悪くはならない)
どうせ工場を稼働させなくても減価償却でどんどん損するんだったら、生産すれば黒字にはならなくても赤字を減らすことができるケースはありうる。
教科書的には、ライバル企業が脱落して供給が減ったり景気が良くなって需要が増えたりするまでガマンするという理屈でそうする。
だから液晶に社運を賭けているシャープは例え赤字でも液晶パネルの生産を続行する必要があった。
じゃあサムソンのほうは?
サムソンのほうは、自前の生産キャパを仮に全部使いきったとして、設備投資をしてそれ以上に生産規模を拡大したいと思うだろうか?
答えはNO。
相場が下がりすぎて設備投資をしても儲からないからだ。
(今はどうか知らんが少なくとも前に見たときは)サムソンの液晶部門は赤字だった。
(ただしライバル企業を蹴落として自分だけの独占状態を作りだすために赤字価格でもじゃんじゃん生産してダンピングするという作戦もありうる)
だったらどうする?
すでに不必要に巨額の設備投資をしてしまった投資にしくじった会社から液晶パネルを買い叩けばよろしい。
そうすれば、自分で生産するより安上がりに、自分で生産したら減価償却費も回収できないほど安く調達できるかもしれないわけだ。
これで見事にサムソンとシャープの思惑は一致するに至る、というわけさ。
「おまえなんでこんなことわかるわけ?」
と聞かれたが、別にわかるわけではない。
あくまで推測だ。
裏もとってないから根拠にも乏しい。
なんで推測できるかというと、これは株をやっているからというのが適切だろうかね。
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