ちょっとショッキングなことを聞いた。
いまアメリカとロシアの仲は比較的良好だと思っているヤツがいた。
そんなわけあるかwww…と思ったのだが。
これもTVしか情報源がないとそういうもんなのかとも思った次第。
では実際のところどうなのか?
…というのをここでまとめてみたい。
ことはベルリンの壁が崩壊したときにまでさかのぼる。
当時、共産圏でソ連の属国だった東欧諸国の政権がみなひっくり返り、ほとんどが自由主義陣営になった。
ソ連が占領していた地域の多くも独立した。
我々のような元から自由主義陣営の国の人間、いわゆる米帝様と愉快な仲間たちは、
「すばらしい! 戦争せずに冷戦が終わった! 世界はこれで平和になった!」
と喜んだ。
だがロシア人はそうは思ってはいなかった。
「アメリカと世界を二分していた大国ロシアが崩壊した。我々は負けたのだ」
と思ったのだ。
そこから時を10年ほど進める。
9.11テロ事件が起きた。
アメリカは対テロ戦争を宣言した。
いまとなってはこれは作戦を間違えた宣言だったが、当時はそれが正しく見えた。
ロシアはアメリカに協力した。
チェチェン紛争のこともロシアの意思決定に影響したかもしれない。
けっきょくアメリカは旧ソ連領をふくむなんちゃらスタンに軍を駐留させた。
今から見るとこれはロシアの裏庭にアメリカが土足で入るのを許可したウルトラ例外的処置だった。
米帝様と愉快な仲間たちは、
「人類の敵であるテロリストと戦う意思をロシアと共有できたことは喜ばしいことだ!」
と喜んだ。
だが、いつまでたっても撤退しようとしない米軍に、ロシア人は
「話が違うんじゃないか?」
と疑いの色を強め始める。
そこから時を数年ほど進める。
かつて東欧がひっくりかえったとき、西側とロシアは
「東欧諸国まではNATOを拡大しない」
と秘密協定を結んでいた。
だがその口約束は反故にされる。
ロシア人の耳には
「はっはっはー、そんな約束しましたっけ?」
と聞こえた。
けっきょく東欧諸国とバルト3国がNATOに加盟した。
西側諸国は
「ヨーロッパが統一に近づくのは良いことだ!」
と喜んだ。
のちに東欧にロシアをねらう米帝様のミサイルが配備された。
ロシア人は
「やっぱり話が違うじゃないか!」
と腹をたてた。
ヒトラーが独ソ不可侵条約を一方的に破棄したのを思いだしたロシア人も多かろう。
ロシアはすごい武力を持っているというのはみなさまご存じのとおり。
たまに中国のほうが軍事力が強いと勘違いしてるヤツがいるが、
わたしの感覚でいえば、米>露>日>中>>>韓≧朝かと思われる。
じつはロシアは攻撃力がすごいのではなく、守備力のほうがすごい。
シベリアの奥深くまで敵を引きずりこんで敵の兵站線をはてしなく長くさせ、しかる後に敵を叩き潰す。
ナポレオンもヒトラーもそれで負けた。
日露戦争ではなぜか日本が勝ったが、ノモンハン事件でもシベリア出兵でも日本がロシアのふところに攻め込んだときは何の成果もあげられなかった。
それゆえか、ロシアは奥行き方向にスペースを確保したがる。
いわゆる緩衝地帯というやつで、それが東欧諸国であった。
だがその東欧諸国はNATOに加盟して米帝様のミサイルが置かれたことで緩衝地帯としての機能を決定的に失う。
最近まで時を進める。
もともと親露だったウクライナに親米政権ができる。
米帝様と愉快な仲間たちは、
「やっぱり自由主義は人類の普遍的な価値として理解されるんだ!」
と喜んだ。
だがロシア人は
「これはぜったい米帝の裏工作でできた政権だ!」
と断定している。
ウクライナがNATOに加盟しようとしはじめる。
ウクライナにまで米帝様のミサイルが配備されると、ロシアは米軍と国境を接する。
緩衝地帯はもう無い。
ロシア人はブチ切れた。
その結果ウクライナでは、米帝様と愉快な仲間たち V.S. ロシアという、冷戦時代の代理戦争と同じことがおきた。
クリミアはロシア領、ドンバスとルガンスクはウクライナ政府の執政がおよばない事実上の独立国でロシアに都合のいい親露の緩衝地帯と、ロシア完全勝利で収束する。
そうすると今度は
「おいおい! ロシアは冷戦時代と同じ領土拡大戦略に戻ってるぞ! こいつマジで黙らせないとヤバくないか!?」
とアメリカがロシアに再注目しはじめる。
そして対露経済制裁がはじまった。
さて現代。
シリアとイラクからISISが一掃されつつある。
第二次世界大戦でいうと、ドイツ第三帝国がスターリングラードを失い、東からはロシアが、西からはアメリカがやってきはじめ、ナチス高官には
「あなたいつ南米に脱走するんですか?」
と聞くようなタイミングであり、ISISには
「あなたいつシリアとイラクを放棄してご引っ越しなさるんですか?」
と聞くようなタイミングになっている。
すると第二次世界大戦終戦直後と同じく、次の主導権争いがはじまりだした。
シリアのアザド政権を支持しているロシアは、アレッポ奪還作戦のドサクサにまぎれてアメリカが支持していてアザド政権と敵対している泡沫候補の自由シリア軍まで攻撃してる。
そしてアメリカは
「おいおい! ドサクサにまぎれてクリミアを併合したときと同じことし始めてんじゃねえぞゴルァ!」
とブチ切れた。
プーチンは
「シリアに正当に存在する政府はアザド政権しかないだろ! おまえこそ反政府テロリストを支援してんじゃねえ!」
と逆切れ。
あっという間に米ロ協調作戦は崩壊した。
いったい何を見ると、いまアメリカとロシアの仲は比較的良好だと思うのかと、我輩はフシギに思うくらいなのだがね。
いまアメリカとロシアの仲は比較的良好だと思っているヤツがいた。
そんなわけあるかwww…と思ったのだが。
これもTVしか情報源がないとそういうもんなのかとも思った次第。
では実際のところどうなのか?
…というのをここでまとめてみたい。
ことはベルリンの壁が崩壊したときにまでさかのぼる。
当時、共産圏でソ連の属国だった東欧諸国の政権がみなひっくり返り、ほとんどが自由主義陣営になった。
ソ連が占領していた地域の多くも独立した。
我々のような元から自由主義陣営の国の人間、いわゆる米帝様と愉快な仲間たちは、
「すばらしい! 戦争せずに冷戦が終わった! 世界はこれで平和になった!」
と喜んだ。
だがロシア人はそうは思ってはいなかった。
「アメリカと世界を二分していた大国ロシアが崩壊した。我々は負けたのだ」
と思ったのだ。
そこから時を10年ほど進める。
9.11テロ事件が起きた。
アメリカは対テロ戦争を宣言した。
いまとなってはこれは作戦を間違えた宣言だったが、当時はそれが正しく見えた。
ロシアはアメリカに協力した。
チェチェン紛争のこともロシアの意思決定に影響したかもしれない。
けっきょくアメリカは旧ソ連領をふくむなんちゃらスタンに軍を駐留させた。
今から見るとこれはロシアの裏庭にアメリカが土足で入るのを許可したウルトラ例外的処置だった。
米帝様と愉快な仲間たちは、
「人類の敵であるテロリストと戦う意思をロシアと共有できたことは喜ばしいことだ!」
と喜んだ。
だが、いつまでたっても撤退しようとしない米軍に、ロシア人は
「話が違うんじゃないか?」
と疑いの色を強め始める。
そこから時を数年ほど進める。
かつて東欧がひっくりかえったとき、西側とロシアは
「東欧諸国まではNATOを拡大しない」
と秘密協定を結んでいた。
だがその口約束は反故にされる。
ロシア人の耳には
「はっはっはー、そんな約束しましたっけ?」
と聞こえた。
けっきょく東欧諸国とバルト3国がNATOに加盟した。
西側諸国は
「ヨーロッパが統一に近づくのは良いことだ!」
と喜んだ。
のちに東欧にロシアをねらう米帝様のミサイルが配備された。
ロシア人は
「やっぱり話が違うじゃないか!」
と腹をたてた。
ヒトラーが独ソ不可侵条約を一方的に破棄したのを思いだしたロシア人も多かろう。
ロシアはすごい武力を持っているというのはみなさまご存じのとおり。
たまに中国のほうが軍事力が強いと勘違いしてるヤツがいるが、
わたしの感覚でいえば、米>露>日>中>>>韓≧朝かと思われる。
じつはロシアは攻撃力がすごいのではなく、守備力のほうがすごい。
シベリアの奥深くまで敵を引きずりこんで敵の兵站線をはてしなく長くさせ、しかる後に敵を叩き潰す。
ナポレオンもヒトラーもそれで負けた。
日露戦争ではなぜか日本が勝ったが、ノモンハン事件でもシベリア出兵でも日本がロシアのふところに攻め込んだときは何の成果もあげられなかった。
それゆえか、ロシアは奥行き方向にスペースを確保したがる。
いわゆる緩衝地帯というやつで、それが東欧諸国であった。
だがその東欧諸国はNATOに加盟して米帝様のミサイルが置かれたことで緩衝地帯としての機能を決定的に失う。
最近まで時を進める。
もともと親露だったウクライナに親米政権ができる。
米帝様と愉快な仲間たちは、
「やっぱり自由主義は人類の普遍的な価値として理解されるんだ!」
と喜んだ。
だがロシア人は
「これはぜったい米帝の裏工作でできた政権だ!」
と断定している。
ウクライナがNATOに加盟しようとしはじめる。
ウクライナにまで米帝様のミサイルが配備されると、ロシアは米軍と国境を接する。
緩衝地帯はもう無い。
ロシア人はブチ切れた。
その結果ウクライナでは、米帝様と愉快な仲間たち V.S. ロシアという、冷戦時代の代理戦争と同じことがおきた。
クリミアはロシア領、ドンバスとルガンスクはウクライナ政府の執政がおよばない事実上の独立国でロシアに都合のいい親露の緩衝地帯と、ロシア完全勝利で収束する。
そうすると今度は
「おいおい! ロシアは冷戦時代と同じ領土拡大戦略に戻ってるぞ! こいつマジで黙らせないとヤバくないか!?」
とアメリカがロシアに再注目しはじめる。
そして対露経済制裁がはじまった。
さて現代。
シリアとイラクからISISが一掃されつつある。
第二次世界大戦でいうと、ドイツ第三帝国がスターリングラードを失い、東からはロシアが、西からはアメリカがやってきはじめ、ナチス高官には
「あなたいつ南米に脱走するんですか?」
と聞くようなタイミングであり、ISISには
「あなたいつシリアとイラクを放棄してご引っ越しなさるんですか?」
と聞くようなタイミングになっている。
すると第二次世界大戦終戦直後と同じく、次の主導権争いがはじまりだした。
シリアのアザド政権を支持しているロシアは、アレッポ奪還作戦のドサクサにまぎれてアメリカが支持していてアザド政権と敵対している泡沫候補の自由シリア軍まで攻撃してる。
そしてアメリカは
「おいおい! ドサクサにまぎれてクリミアを併合したときと同じことし始めてんじゃねえぞゴルァ!」
とブチ切れた。
プーチンは
「シリアに正当に存在する政府はアザド政権しかないだろ! おまえこそ反政府テロリストを支援してんじゃねえ!」
と逆切れ。
あっという間に米ロ協調作戦は崩壊した。
いったい何を見ると、いまアメリカとロシアの仲は比較的良好だと思うのかと、我輩はフシギに思うくらいなのだがね。
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