DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

林(3)

2022-02-05 11:50:20 | 物語


SIL・・・国際陸水学会が、100年目の記念大会を迎える。
時は2022年8月7ー10日、場所はベルリン。

陸水学は陸の海洋学だと、スイスの湖沼学者フォーレルは言った。
彼の湖沼に対する情熱が、SILには脈々と引き継がれている。

今、地球上の湖が、気候変動によって危機に立たされている。
できるだけ多くの若者と議論したいと、SIL特別セッションを立ち上げた。

相棒は、君付龍祐君である。
彼はいま、カナダの大学の学生で、恐竜の勉強をしている。

私とは50才ほど年が違うが、尊敬できる人である。
シニアとジュニア、二人で仕掛けた久しぶりのプチ・イベントだ。

吉と出るか、凶と出るか。
世界中から多くの人に参加して欲しい。

そう思って、SNSに投稿することにした。
できれば情報を拡散して欲しいと思っている。

To whom it may concern,

Global freshwater systems on the Earth are under huge threat from the resent climate change and rapid socio-economical transformations, and immediate actions are required to conserve them for future generations and ecosystems. However, one of the key issues is that we do not have sufficient opportunities for interdisciplinary, intergenerational, and international conversation on water crisis. It is essential to share our views and experiences to come up with a solution and communicate them to the general public.

As we approach the 100th year of the International Society of Limnology (SIL), we would like to call out for veteran and future limnologists including junior students to share their views and opinions on global water crisis. Our goal is to better understand the situation through different perspectives and come up with solutions to protect freshwaters for 100s of years to go. In order to achieve this, we are providing the platform of a standard session, “Open Dialogue on World Water Issues and Solutions across Generations” at SIL 100 held in Berlin, Germany, August 2022. For more information about SIL 100, please refer to the following website: https://www.sil2022.org/program/sessions/

For our session, we would like to invite individuals with different backgrounds from around the world to give us an oral presentation or an e-poster presentation. The presentations will be focused on the presenter’s views on current freshwater problems and potential solutions to them. At this moment, we would like to know who are interested in this session. If you would like to take part in our session, please reply to this email with a title and an abstract (free format) for your presentation so that we can make further decision. Please also distribute this message to anyone around you who will be willing to join this dialogue and share their idea.

We are looking forward to hearing from you.
Regards,

February 1st, 2022


Michio Kumagai                              Ryusuke Kimtsuki
Ristumeikan University                   University of Alberta
Otsu, Japan                                     Alberta, Canada

林(2)

2022-01-31 16:24:54 | 物語



2022年1月23日に回収した、琵琶湖第一湖盆93m地点での水温と溶存酸素濃度を図示してみた。今、湖底の水温は8.5℃、溶存酸素濃度は80%である。少しずつ回復しており、全循環の発生に向けて準備中であると言える。

図の赤線が線形補間をした場合の予測値で、酸素濃度が100%まで回復した時の水温は8.1℃になるはずである。琵琶湖全体の水275億トンが8.5℃から8.1℃になるのに必要なエネルギーは簡単に計算できて、約460TJ(テラジュール)である。

これは広島に投下された原爆7個分(63TJ)より大きい。すでに暖まってしまった琵琶湖の水を冷やすために、こんなに多くのエネルギーが必要だとは知らなかったが、自然はうまくできている。

今年は雪がたくさん降って、山々は雪化粧をしている。3月になり、雪解け水が琵琶湖に入るころには、湖底は十分に冷やされるだろう。そして、久しぶりに琵琶湖が深呼吸できることを願っている。

林(1)

2022-01-24 12:59:43 | 物語


22日 うみのこ応援歌 びわ湖トワ の吹込み
膳所高を中心とした 高校生の皆さん よく頑張りました

23日 ジュニアドクター育成塾 琵琶湖調査
遠くに雪化粧した 箱館山を望み 湖面は穏やかでした

湖底の水温は8.5℃前後 酸素濃度は80%前後
水温がまだ高いのが気になります

水深93mの定点では ビワオオウズムシは確認できませんでした
山々の雪が溶けだす頃 琵琶湖は深呼吸します

風(99)

2022-01-07 17:20:46 | 物語


年末12月19日にびわ湖に波力ポンプを設置してきました。
次に回収するのは1月23日です。
1か月の連続試験は、初めての取り組みです。
たぶん途中でトラブルがあると思いますが、厳しいびわ湖の冬を乗り切ってくれることを願っています。
皆様の新年が良い年であることを祈っております。

風(98)

2021-12-20 17:10:30 | 物語

昨日の琵琶湖は風が強かった。
周囲の山々は雪化粧だ。
でもみんなメゲズに頑張った。

水深94m。
約1名、船酔いでダウン。
この場所では、あいかわらずビワオオウズムシは採取できない。

湖底では、少しずつ水温が上昇し、酸素が回復しつつある。
季節風による鉛直混合が始まった。



さて、この冬はどこまで回復するやら。
来年は良い年でありますように。

そう願って昨日、12月19日に
今年最後の湖底調査を終えた。

併せて波浪ポンプも設置してきた。
初めて1か月の連続稼働だ。
大丈夫だろうか?

風(91)

2021-10-06 15:12:00 | 物語


2021年9月23日、やっと、ビワオオウズムシの採取に成功した。
ブロックにしがみつくたくさんの子供たち。
トラップには、立派な成虫もいた。
こうやって懸命に産卵しているのかもしれない。

一方で、気がかりもある。
湖底の酸素が急激に減少している。
9月に入って溶存酸素濃度は10%を割り込むようになり
9月22日には2%以下となった。

無酸素状態になるのも時間の問題だろう。
どうすればよいのだろうか。
同じような問題は、世界中で起きてるのだろう。
地球では惨劇の序曲が始まっている。



風(89)

2021-08-16 16:41:37 | 物語


2021年8月1日に、自律型ソーラーボートのテストをしました。
3台のボートが順調に仕上がっています。
8月8日~10日予定していたソーラーボート合宿とレースが、台風接近とコロナまん延防止等重大措置の発出に伴って、9月に延期されました。
夏休みに参加を予定していた小中高生たち30名は、がっかりです。
それでも大半の生徒は9月に参加します。
STEM教育の実践の場としては、琵琶湖は最適です。
この子たちが、近い将来に迫ってくる自然災害から日本を守ってくれるのではないかと期待しています。


風(85)

2021-07-23 21:53:07 | 物語


 ヤス君は、ジュニアドクター育成塾の受講生だ。
 7月23日からスタートした、ビワオオウズムシ探索プロジェクトに参加している。今日は実験調査船はっけん号に乗って、塩津湾に出かけた。なんだかよくわかんないけど、琵琶湖ではビワオオウズムシっていう動物ががいなくなっているそうだ。淡探という水中ロボットが撮影した昔の画像を見て、ビワオオウズムシ探しをした。いわゆる基礎学習というやつだ。今の画像と比較して、何が変化の原因かを調べるのだ。
 間違い探しみたいで、ちょっと面白い。水中ロボットって、何だか大仰そうだ。もっとユーザーフレンドリーならいいなと思う。K先生に聞いたら、君がそんなロボットを作ってよ、と言われた。
 そうなんだ。自分が作ってもいいんだ。とたんに世界が開いた気がした。できないことを言い訳にしない。子供でもできるんだってことを証明したい。いつかきっと、自分でロボットを作ってみたい。そして琵琶湖の探検をするんだ。ヤス君は、そんなことを思った。今日という日はなんだか輝いていた。
 そういえば、7月25日には、ZOOMで琵琶湖調査の様子を公開するのだそうだ。お茶の間から琵琶湖の様子が見れる日が近づいている。なんだか楽しそうだな。ヤス君は、今日一日で大人になった気がする。

風(83)

2021-06-30 15:05:35 | 物語


ついに、ここはムサシモのジャングルとなった。
盛んに光合成をするので、水槽の中は泡だらけだ。
絶滅危惧種と言われるが、この増え方は尋常ではない。
色合いもよいので、欲しがる人は多いのだろう。
ジュニアドクター育成塾の子供たちに、研究目的でおすそ分けしている。
みんな大喜びだ。



Wikipediaには次のように記述してあった。
Najas ancistrocarpa is a species of aquatic plant in the Hydrocharitaceae family. It grows in fresh water ponds and is a native to Japan (Honshu) and to parts of China (Fujian, Hubei, Jiangxi, Taiwan, Zhejiang).

風(81)

2021-06-08 15:50:09 | 物語


2021年5月26日、いよいよ琵琶湖でWave Pumpの実験が始まりました。波の力を使って表層水を湖底に送り届けようというものです。
今から準備をして、12月頃には試験機を琵琶湖に設置したいと考えています。準備段階ですが、結構、うまく動くようです。
直径10cm、長さ2mのパイプを波で約40分間上下させました。
圧力計でパイプの上下運動を1秒ごとに測定すると、40分で1.25トンの水が通過しました。弁による開閉効率を80%と見込んでも、40分間で1トンの水は下に送れそうです。これは悪くないですね。


風(78)

2021-03-31 12:51:48 | 物語

嫌なニュースが続くものだ。
モンゴルとロシアの国境にあるフブスグル湖で地震が続いている。
今日、マグニチュード5.2と4.9の地震が発生した。
場所はフブスグル湖の北、ハンクという町の近くだ。
1か月でなんと54000回もの地震が起こっているという。
この湖は琵琶湖と同じ構造湖で、プレートの移動によって形成された。
世界最古の湖バイカル湖の上流に当たる。
とても美しい湖だ。
どうも最近、地球の地殻活動が活発化しているので、気を付けたほうが良いようだ。




風(77)

2021-03-19 20:35:20 | 物語

先日の調査で、ビワオオウズムシの赤ちゃんを2匹採取しました。
ずっといなかったので心配していましたが、ちょっとホッとしています。

でも湖底の温度がまだ高いので、これからが心配です。
この子達が大きく育ってほしいものです。

21日に琵琶湖へ調査に行きます。
これからも毎月見守っていきます。

クラウドファンディングもあと11時間で終わります。
応援していただいている人たちに、心から感謝します。


風(76)

2021-03-17 10:17:18 | 物語

3月7日に湖底の水温と溶存酸素濃度を更新しました。2020年10月21日以降は10分ごとのデータです。青色は水温、オレンジ色は溶存酸素濃度(%表示)を示しています。

この図からわかることは、酸素の回復が80%前後にとどまっているということと、水温の低下が8℃まで下がってから上昇に転じたことです。今後想定されるリバウンド(高温化、低酸素化)を考えるなら、酸素濃度は100%に近い方がよく、水温はできれば7℃台であって欲しいと思います。3月になり気温が上昇し始めたので、あとの希望は融雪洪水の流入しかありません。今年はどうなのでしょうか。

熱を貯え続ける琵琶湖から、冷水性の生物が姿を消すのもそんなに遠くない気がします。今から10年後に備えた取り組みが必要です。私たちのクラウドファンディングも、あと2日となりました。応援してください。
https://outreach.bluebacks.jp/project/home/21