お盆を迎える前に、施餓鬼に参加した。
滋賀県栗東市にある東方山安養寺である。
この寺の住職は私の従兄で、墓地には私の母の分骨が納められている。
740年(天平12年)の建立だというから、古刹である。
聖武天皇の勅願により、金勝寺25別院の一つとして良弁僧正が開基した。
834年(承和元年)に、弘法大師空海が中興し真言宗に改宗した。
ここには空海が作ったといわれる愛染明王が安置されている。
愛染とは愛欲貪染の意味で、人間が愛欲におほれるのを菩提の心に変えるはたらきをする明王である。
空海の好きな仏像だ。
伽藍造立の本願は、太政大臣藤原良房と言われている。
本尊の薬師如来は、国指定の重要文化財となっている。
両側には、日光菩薩と月光菩薩の立像が祀られている。
このお寺で私が好きなのは、安養寺を復興した戒山慧堅によって1692年(元禄5年)に造立された十二神将である。
十二神将は薬師如来の分身とも言われている。
それぞれの表情がとても豊かである。
もし滋賀の地を訪れることがあれば、一度この寺院に立ち寄られてはいかがだろう。