旅たび写真缶

小さい旅から大きい旅まで、時にはいい歳して恥ずかしい旅まで、写真旅日記。

大和三山を半日で踏破

2017-05-25 | 京都・奈良旅行記

2017年5月22日

またまた、奈良を歩いてきました。このところ続けている「古道歩き」の延長です。今回は、二泊三日の旅。

一日目の今日は、万葉集にもたびたび出てくる「大和三山」を、半日で完全踏破するつもり。

踏破と言っても、一番高い山でも199m。

「大和三山」は、畝傍山(うねびやま199m)、天香久山(あまのかぐやま152m)、耳成山(みみなしやま140m)の独立した山々で、「藤原宮跡」を囲むようにある。

万葉集の中に、「香具山は 畝火(うねび)ををしと 耳成(みみなし)と 相あらそひき 神代より かくにあるらし 古昔(いにしへ)も 然(しか)にあれこそ うつせみも 嬬(つま)をあらそふらしき」(中大兄皇子)と歌われているらしい。

特に、万葉集に興味があったわけではなく、半日コースを探していたら見つけたハイキングコース。(コースタイムは最後にあります)

                                   国土地理院

 

      ≪近鉄 橿原神宮前駅≫

12:03 東北新幹線、東海道新幹線を乗り継ぎ、京都からは近鉄特急で「橿原神宮前駅」に到着。

12:15 リュックを担いで橿原神宮前駅を出発。なにしろ、すでにお昼を過ぎているのでノンビリもしていられない。 

                      ≪久米寺≫

まずは「久米仙人伝説」で有名な久米寺に参拝。境内をそのまま抜けて橿原神宮に向かう。北門を抜けようと思ったら、突然目の前に近鉄電車が現れて、ちょっとビックリ。

 

                    ≪橿原神宮 拝殿≫

12:38 橿原神宮の拝殿で今回の旅の安全を祈願し、広大な境内を北参道に向かう。

天気予報では今日の奈良は気温28度とかなり高温の予想だが、炎天下の境内はすでに30度を超えているのではないかという感じ。まだ5月だというのに暑すぎ。

 

      ≪北参道登山口≫             ≪東大谷日女命神社≫

12:47 「畝傍山」の登山口を見つけた。

右側に「東大谷日女命神社」の鳥居を見ながら、林間コースを歩く。

炎天下を逃れて「ホッ」と気を抜いたところで、右側の落ち葉の中からガサガサと音を立てながらヘビが現れ、目の前を横切って行った。

「マムシ」だったような気もするが・・・。

 

12:58 「畝傍山口神社」への分岐に至る。予定をかなり押しているので山頂に向かう。

 

左側の林の切れ目から、大和平野が見渡せるようになって来た。けっこう登ってきたようだ。 

 

                 ≪畝傍山 山頂≫

13:10 畝傍山(うねびやま)山頂に到着。大和三山の一山目をまず制覇。

山頂には、「畝火山口神社社殿跡」と「三角点」がある。

木陰のベンチで小休止。木々の間から見える景色はまあまあ。

13:22 汗が引くまでノンビリしたいところだが、日が暮れる前にあと二山登らなければならないので、水分補給しただけで下山開始。

    

下りに選んだコースはやたらと足元が悪く、急ぎたいが慎重に下山。

 

13:36 若桜登山口のある若桜友苑に到着。登山口の道標に、「マムシに注意!」の比較的新しい張り紙。

公園を出る時に振り替えると、今下りて来た畝傍山が美しい。

 

13:50 橿原神宮の北門の前に出る。ここから左折して「神武天皇御陵」前を右折。

 

       ≪畝傍御陵前駅≫

14:00 「近鉄 畝傍御陵前駅」を通過。踏切を渡ったところで、自販機で水を追加購入。冷たいペットボトルを手に持ったまま、炎天下の一般道をトボトボと東に向かう。

 

       ≪本薬師寺跡≫

14:12 「本薬師寺跡」に到着。地図上では、薬師寺跡だが石碑では薬師寺跡となっている。

現在、奈良西ノ京にある薬師寺は、平城京遷都でここから移ったようだ。

 

14:33 畑の向こうに、「天香久山」の全貌が見えて来た。

広い道に出たところでルートを探していたらいたら、後から来た4人づれの年配ハイカーたちは「天の岩戸神社」に行くということなので、うしろをついて行く。

  

                                   ≪天の岩戸神社≫

前の4人組が休憩タイムになったので、追い越して私一人で「天の岩戸神社」に参拝。

続いて、東寄りの登山口から香具山の山頂を目指すつもりだったが、何故か間違って西寄りの登山口に出てしまった。

    ≪天香具山 西側の登山口≫

15:01 天香具山の登山開始。

 

15:06 天香具山(あまのかぐやま)山頂に到着。

「大和三山の二山目制覇!」といっても登山道を歩いたのは5分間だけですが・・・。

正面に見える「国常立(くにとこたち)神社」に参拝。祭神は天地開闢とともに現れた国土形成の神、国常立命。

天香具山の山頂は標高152mと低いが、大和盆地の眺めは美しい。

左手前の山が、先に登った「畝傍山」。その背後左に「葛城山」。右端のふたコブの山が、明日登る予定の「二上山(にじょうざん)」。

 

                                     ≪天香具山神社≫

15:14 下山開始。

15:20 「天香具山神社」に参拝。

 

さらに下ると、前方に最後の山「耳成山」が見えて来た。

カラーの消火栓が可愛らしい。

左手に畝傍山、二上山を見ながら、正面の「耳成山」に向かって、ほぼ真北に進む。

畑地が広がり日陰が全くない。汗が止まらず、熱中症が心配だ。頻繁に水分補給。

耳成山を目指してトボトボ歩いている時に、突然、「藤原京跡を見なくても良いのか?」と気づいた。時間も遅くなって来たのでチョット悩んだが、結局今来た道を少しばかり引き返し、シバシ「藤原宮跡」を探す。

 

  ≪藤原京の中心施設 藤原宮跡≫          ≪太極殿越しに畝傍山≫

 

    ≪大極殿越しに天香具山≫     ≪大極殿越しに耳成山(林の奥)≫

いやぁ~、物凄く広いです。周囲には建物が全く見えません。

16:05 藤原宮跡を出発

すでに16時を過ぎ焦りぎみ。本の道に戻るには時間がかかり過ぎると判断して、畑のあぜ道を真直ぐ耳成山に向かう。

やっと畑地を抜けたところでJR線にぶち当たり、北へ進めない。またもや右往左往しながら踏切を探す。

 

16:35 耳成山の登山口がある「耳成山公園」に到着。

16:40 本日三本目のペットボトルを買って、「耳成山」登山開始。

遊歩道を登れば楽かもしれないが、すでに時計は5時チョット前。迷わず「耳成山口神社」の参道を直登。

 

                 ≪耳成山口神社≫

16:47 耳成山口神社に到着。

参拝を済ませたところで、4人組の年配ハイカーグループと再会。

 

              ≪耳成山(みみなしやま)山頂 三角点≫

神社の左わきをさらに登る。

16:55 耳成山山頂の三角点に到着。ついに大和三山の完全踏破成功。

橿原神宮前駅を出発してから、4時間40分。歩く距離としてはちょうど良い距離だが、とにかく暑くてバテました。日陰の無い一般道歩きが長すぎ。

17:20 耳成山の遊歩道入口に下山。

イニシエの時代に思いをはせるには絶好のロケーションだが、夏場には向かないハイキングコースでした・・・まだ5月ですが・・・

日没にはまだ間があるので、JRの畝傍駅に向かう。

17:53 畝傍駅に到着。1分遅れで電車が目の前を出て行った。

シバシ駅前でブラブラと時間つぶし。

 

       ≪JR畝傍山駅≫                 ≪駅の貴賓室≫

かつて、このJR「畝傍山駅」が橿原神宮や神武天皇陵に最も近い駅だったので、皇族用の貴賓室があったようだ。

18:30 JR五位堂駅付近で、明日登る予定の「二上山(にじょうざん)」の夕景を撮影。

快晴のハズだが、太陽の辺りに薄雲があるらしく丸い夕日にならずザンネン。

二上山は「落陽の山」として、イニシエの人々に信仰された山で、山の向こうに西方極楽浄土があるとされる。実際には大阪ですが・・・。

お彼岸の頃には、ふたコブの間に陽が落ちるらしいが、今は日が長い。

二上山の夕景を撮影する絶好のポイントとして、もう少し先にある「千股池」が有名なのだそうだが、今は除草のため羊が放牧されていて、立ち入ることができない。鏡になるハズの水も抜かれていて空池だった。

近鉄の当麻寺駅まで歩いて、橿原神宮前のホテルに向かう。

大和三山巡りコースタイム

 橿原神宮前駅-(7’)→久米寺-(15’)→橿原神宮拝殿-(6’)→畝傍山北参道登山口-(13’)→ 畝火山口神社分岐-(11’)→畝傍山山頂-(15’)→若桜登山口-(13’)→橿原神宮北門-(5’)→神武天皇御陵前-(5’)→畝傍御陵前駅-(11’)→本薬師寺跡-(21’)→法然寺-(12’)→天岩戸神社-(10’)→香具山西側登山口-(5’)→天香具山山頂-(7’)→天香久山神社-(30’)→藤原宮大極殿跡-(30’)→耳成山公園-(5’)→耳成山口神社-(2’)→耳成山山頂-(10’)→東側参道入口-(33’)→JR畝傍駅

              歩いた時間:4時間26分

              歩いた距離:?

               所要時間:5時間38分

               ※休憩、参拝、写真撮影時間などを含みます

               歩いた人:65歳一人旅、体力は年相応

 



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