民放スペシャルドラマやNHKの連続ドラマで放映された高田郁のベストセラー小説シリーズ「みをつくし料理帖」を、角川春樹が監督としてメガホンを取った力作。幼いころに両親を亡くした料理人が苦難を乗り越え人生を切り拓く。ヒロイン みおを松本穂香、その幼なじみ野江を奈緒が演じるほか、若村麻由美、石坂浩二、浅野温子、中村獅童、反町隆史、鹿賀丈史、らが脇を固める。
この作品はなんと言ってもみおを取り巻く心温かい人たちに癒される。特に母親代わりの若村麻由美、料理屋の主人石坂浩二とのやりとりでは心温まるものがあり、何度も目頭が熱くなる。松本穂香のみおはその中で観客が感情移入できるほどによく演じきっている。このみおのサクセスストーリーにゆっくりとほのかな涙を流せる。最後に流れる主題歌にも癒される。見てよかった。松本穂香はこれからも応援したい女優になった。
『みをつくし料理帖』 本予告篇
ローランド・エメリッヒ監督が描いた会心の戦争超大作。真珠湾攻撃からミッドウエイ海戦までを描く。エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ウディ・ハレルソン、日本から豊川悦司、浅野忠信、國村隼らが出演。
ミッドウェイを描いた作品は チャールトン・ヘストン、三船敏郎らが共演した1976年版ミッドウェイなどがあるが、本作は映画の歴史に残ると思わせるほどの最高峰の戦争映画と思う。まず冒頭の真珠湾攻撃のシーンは本当のその時に居合わせてあらゆる角度から情景を見ているような真実味がある。さらに多くの空中戦のシーン、そしてミッドウェイでの海戦シーンは手に汗にぎる場面も多く、どれも圧巻。そしてこの映画が私たち日本人には日本が製作した映画と思えるし、もちろん米国人が見ればアメリカの映画と思える。そこが凄い。エメリッヒ監督は戦争には勝者は無く、敗者しかいない。だからこそ日米双方の軍人たちに捧げる内容にしたかったと述べているがその通り、見ている私たちにその意思が熱く伝わってくる。見ごたえのある良い映画だった。
映画『ミッドウェイ』予告編
誰もが経験の無いコロナ禍のために新作映画の多くが上映延期となり、その中でもカンフル剤のように上映されはじめたコメディー作品に癒されたあとは「泣かせられる映画」を無性に観たくなった。1995年に公開された泣かせる名作「マイフレンド・フォーエバー」を観た。米作品名「The Cure」はブラッド・レンフロ演じる主人公エリックと隣りに引っ越してきたHIV患者のデクスター(ジョゼフ・マゼロ)との友情を描く。デクスターの病気を治したい一心のエリックは彼と治療法を探し始め、そのうち治療法が見つかったという新聞記事を見てそれを訪ねる旅に二人で出る。監督はピーター・ホルトン。
病気を治す方法を見つけようと子供なりに一所懸命になる姿から気持ちの通じ合った二人の絆が描かれ、これまで病気のために友も無く、母親と寂しく過ごしてきたデクスターが新たな友エリックと一緒に人生を生きる。楽しくまた波乱万丈な冒険の旅が物語を盛り上げる。最後に待っているのは辛い出来事だが、アナベラ・シオラが演じたデクスターの母親の言葉がエリックを救う。いや、見ている私たちの心も救われる。ここではどうしても涙が溢れてしまう。
明日からまた頑張れると、こころが温まった作品だった。
Trailer: The Cure (1995). Joseph Mazzello, Brad Renfro
前作「ローグ・ネーション」から3年、このシリーズの6作目。この作品もトム自らがプロヂューサーを務める。過去5作はいずれも違う監督が撮影してきたが、本作は前作に引き続きクリストファー・マッカリー監督が務める。
「不可能の連鎖」というキャッチフレーズがまさしくこの映画を物語る。私の感想は「トム・クルーズのこのシリーズに賭ける情熱は尋常ではない。・・・凄すぎる」だ。これまでの作品で世界一のビルの外壁を登ったり、離陸する輸送機の機外にへばりついたりとひとつ間違えば命を落とす撮影を今回はさらにいくつも挑んでいる。それどころかグレードアップいやヒートアップという表現の方がいいと思うが。もう極限状態。自分で訓練したヘリの操縦で決死の飛行を行ったり、酸素のない成層圏に近い上空から降下をしたり、ビルの屋上へのジャンプで骨折しても走り続けたりとつぎつぎと自分自らやってくれる。もう、ストーリーはそっちのけでこのアクションの連続を観ていた。トム・クルーズは果たしてどこまでいくのだろうか。
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』本予告
『誰も知らない』『そして父になる』などの是枝裕和監督が描く一風変わった人間ドラマ。
今年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門でパルムドール(最高賞)を受賞したことで話題をさらったのは記憶もあたらしい。
題名を見ただけで厳格な人であればすぐに怒り出すのだろうけれど、この映画の主人公たちは何故か憎めない。私たちは何故か彼らを責める気持ちも無く映画に見いってしまう。なぜだろうか?この家族のそれぞれの個性からか?映画祭でも話題になったが子供たちの生き生きした演技もあるだろう、そして父親役のリリーフランキーの人柄からか?物語が進むに連れ、彼らのそれぞれの事情が浮き彫りになってゆく。このギャップと様々なことがあってもそれでも何故か暖かい彼らの姿が印象的。
いけないことを描いてはいるけれど、そこにあるのは「心」。
映画「万引き家族」本予告編
主人公ソーと過去の宿敵である弟ロキ、そして超人ハルク、故郷の星の女戦士ヴアルキリーの4人がアベンジャーズの向こうを張るリベンジャーズなるチームを結成して死の女神ヘラに立ち向かう。
ソーの姉でもあるヘラをケイト・ブランシェットが演じている。第一作から登場の浅野忠信もアスカルドの戦士として僅かだが登場。
物語の舞台の殆どがソーの故郷の星アスガルドと派手な闘技を民衆の見世物にしている惑星サカール。物語の最初に訪れる地球で待ち受けていたのが ドクター・ストレンジ。彼の神業に近い魔術にはここでまず驚かされる。
ビジュアルが綺麗でかつ広大で目新しい舞台での奇想天外な物語のシーンが次から次へと飛び出すので面白かっった。子供たちから女性、年寄りまで揃って楽しめる映画。
映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』日本版予告編