You got a movie

自分が見た映画をきままに記録したブログです。もしまだ見ていない人が御覧になっても興味を損なわないようにしています。

幸せへのまわり道

2020-08-30 08:26:29 | 映画[サ行]

   アメリカでは誰もが知るという子供向け番組の人気司会者フレッド・ロジャースと彼を取材するうちに荒んだ心が洗われてゆく雑誌記者との交流を描いた実話をもとにしたこころ温まるドラマ。主演したトム・ハンクスはこの作品で昨年のアカデミー賞助演男優賞に輝いた。雑誌記者にはマシュー・リス、監督はマリエル・ヘラー。

   フレッド・ロジャースを知らなかったがアメリカで30年以上もの間、番組を通じて子供たちを育ててきたと言っていい人物だった。取材をするロイドは本当の彼を探そうとするが、彼もロイドの抱える心の闇に気づく。彼に会って変わって行くロイドとともに作品を見る私たちもこころのわだかまりが解けるような気持ちを味わう。フレッド・ロジャースになり切ったトム・ハンクスが素晴らしく、穏やかにゆっくりと回り道をさせてくれるひとときだった。

 

トム・ハンクス主演『幸せへのまわり道』 8月28日(金)劇場公開


2020-08-23 08:42:24 | 映画[ア行]

共に平成元年生まれの漣(菅田将暉)と葵(小松菜奈)の中学生の時の恋と別れ、そしてそれから18年にわたるお互いの出来事や様々な愛を中島みゆきの名曲「糸」とともに描いたラブストーリー。『スマホを落としただけなのに』などの平野隆が原案と企画プロデュースし、瀬々敬久が監督を務める。

北海道から沖縄そしてシンガポールまでそれぞれの美しい景色をスクリーンいっぱいに描きながら、「糸」の歌詞をそのまま物語と映像で織りなす。

なぜめぐり逢うのかを私たちはなにも知らない
いつめぐり逢うのかを私たちはいつも知らない
どこにいたの生きてきたの遠い空の下ふたつの物語
縦の糸はあなた横の糸は私 織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれない

なぜ生きてゆくのかを迷った日の跡のささくれ
夢追いかけ走ってころんだ日の跡のささくれ
こんな糸がなんになるの心許なくてふるえてた風の中
縦の糸はあなた横の糸は私織りなす布はいつか誰かの傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた横の糸は私 逢うべき糸に出逢えることを人は仕合わせと呼びます

作詞 中島みゆき
作曲 中島みゆき

この歌詞をかみ締めながら、見終わったあとには自分のまわりを思い浮かべている自分がいました。

 

 

映画『糸』予告【8月21日(金)公開】


マイフレンド・フォーエバー 「The Cure」

2020-08-10 20:23:06 | 映画[マ行]

 誰もが経験の無いコロナ禍のために新作映画の多くが上映延期となり、その中でもカンフル剤のように上映されはじめたコメディー作品に癒されたあとは「泣かせられる映画」を無性に観たくなった。1995年に公開された泣かせる名作「マイフレンド・フォーエバー」を観た。米作品名「The Cure」はブラッド・レンフロ演じる主人公エリックと隣りに引っ越してきたHIV患者のデクスター(ジョゼフ・マゼロ)との友情を描く。デクスターの病気を治したい一心のエリックは彼と治療法を探し始め、そのうち治療法が見つかったという新聞記事を見てそれを訪ねる旅に二人で出る。監督はピーター・ホルトン。

 病気を治す方法を見つけようと子供なりに一所懸命になる姿から気持ちの通じ合った二人の絆が描かれ、これまで病気のために友も無く、母親と寂しく過ごしてきたデクスターが新たな友エリックと一緒に人生を生きる。楽しくまた波乱万丈な冒険の旅が物語を盛り上げる。最後に待っているのは辛い出来事だが、アナベラ・シオラが演じたデクスターの母親の言葉がエリックを救う。いや、見ている私たちの心も救われる。ここではどうしても涙が溢れてしまう。

 明日からまた頑張れると、こころが温まった作品だった。

 

Trailer: The Cure (1995). Joseph Mazzello, Brad Renfro


コンフィデンスマンJP プリンセス編

2020-08-01 21:23:32 | 映画[カ行]

 

 人気テレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版シリーズの2作目。一作目で香港でのだまし合いを繰り広げた詐欺師たちが、今度はシンガポールを舞台に大富豪一族の莫大な遺産を狙う。監督はこのシリーズの演出・監督を務めてきた田中亮。ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)らおなじみのメンバーにドラマや劇場版第一作目の出演者や新たなメンバーが加わる。今作のヒロイン的な役を広瀬すずによく似ていると評判の若手女優 関水 渚が演じる。

 コンフィデンスマンJP特有の終始笑いにあふれた場面、場面とだまし合いの展開の痛快さはもちろんこの作品でもぎっしり詰まっていた。それと本作ではこのシリーズで初めて泣けた。コメディーで涙が流せるとは思ってみなかったし、シンガポールなどの風光明媚な景色や個性派ぞろいの俳優陣が織り成す物語が素晴らしく、とても贅沢に思える一作だった。そして関水 渚が演じるにせものの令嬢がどんどん綺麗になってゆき令嬢らしくなってゆくのでとても惹かれ私はファンになってしまった。最後に劇場内がどっと沸き、誰もが笑いに包まれるシーンもあるのでこれは見るひとはお楽しみに。

 

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』予告【7月23日(木・祝)公開】